内容説明
ぼくはスティーヴン、17歳。「あいつ」を飼いはじめて、6年になる。はじめはただの弱々しいペットだった。いまでは巨大でおそろしいビーストだ。貯水池の檻のなかから、ぼくをにらんでいる。ぼくを食おうと考えている。もしもあいつが、この檻から逃げだして人間を襲ったら…。だからぼくは決めたんだ。この手で、あいつを殺すしかない。でも、あんな狂暴な生き物を、ぼくひとりで始末できるんだろうか…。
著者等紹介
ケネン,アリー[ケネン,アリー][Kennen,Ally]
英国南西部のエクスムーアの農場で少女時代を過ごし、成人してからは道路建設反対の市民運動や遺跡の発掘に参加。シンガーソングライターとして、自作の曲をUKチャート入りさせた経験も持つ。『ビースト』は小説家としてのデビュー作で、英国で発売されるや、『タイムズ』紙などで高い評価を得ている。ブリストル在住
羽地和世[ハネジカズヨ]
立教大学文学部史学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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youyou88
13
アルコール依存症のホームレスの父親。精神疾患の母親。 そんな両親を持ったスティーヴンは17歳で里親の元で暮らしている。 そんなスティーヴンには秘密があった…。 悲惨な家庭環境。 ビーストを飼うことで精神の均衡を保っていたが、だんだん飼う事が困難になり。 どきどきしたわ。 どんな人生だろうと生きていく…という感じ。 詳しい感想はこちらで↓ https://ameblo.jp/harayou1223/entry-12877307118.html2024/12/25
すけきよ
1
短期間の物語だけど、ビーストとの戦いで成長していく様がよく描かれている。ラストはなかなか象徴的。2006/08/09
female_beetle
0
途中まで「あいつ」が何なのか明確に記述されないので、じつは必然的に想い浮かぶアレとは違うのではないのかと思いつつ読み進めたが、そんなことはなかったぜ。檻から出た後にあいつの正体を書くことで、放置できない、立ち向かわなくてはいけない存在として現実味を帯びさせ、主人公の置かれた境遇とダブらせ……訳者は全年齢向けって書いてるけど、どう見てもティーンエイジャー向けだよなあ。2015/04/12
azimuth
0
ものすごく映画向きの小説。そのままシナリオにしても行けそう。2010/03/17
まる
0
結末が微妙