Hayakawa nonfiction masterpiec<br> 攻防900日〈下〉―包囲されたレニングラード

Hayakawa nonfiction masterpiec
攻防900日〈下〉―包囲されたレニングラード

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  • サイズ B6判/ページ数 498p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152086938
  • NDC分類 936
  • Cコード C0022

内容説明

なぜ、レニングラードはなすすべなく包囲されてしまったのか?予兆はあった。侵攻の半年以上前からドイツによるソ連領空侵犯、国境付近への戦車部隊集結などが報告されていた。諸外国からは、切迫した独ソ情勢について警告が寄せられた。にもかかわらず、ソ連政府は不可侵条約が破られることはないと確信し、対策を怠った。その結果、領土はナチスに蹂躙され、150万ものレニングラード市民の命が失われたのだ。戦後、スターリンの独裁下、当時を知る関係者は粛清の名のもとに処刑され、この失策も闇に葬り去られようとしていた…。解放直後から市内に潜入した著者の丹念かつ慎重な取材により、凄惨なレニングラード包囲戦の全貌が明かされた第二次世界大戦戦記の金字塔。

目次

第3部 封鎖されたレニングラード(承前)(勇者のみに非ず;砕けぬ堅いくるみ;指揮をとるジダーノフ ほか)
第4部 いちばん長い冬(包囲をいつ解くのか?;命の綱;死の街 ほか)
第5部 鉄の環を破る(ふたたび、春;イスクラ作戦;九〇〇日は続く)
エピローグ(レニングラード事件)

著者等紹介

ソールズベリー,ハリソン・E.[ソールズベリー,ハリソンE.][Salisbury,Harrison E.]
1908年、ミネアポリスに生まれる。ミネソタ大学卒業後、UP通信社に勤務。44年、モスクワ支局長に就任。49年からニューヨーク・タイムズの特派員としてモスクワに5年間滞在、同紙に連載した記事によりピュリッツァー賞を受賞。93年没

大沢正[オオサワタダシ]
1927年生まれ。東京外国語大学ロシア科、東京大学文学部史学科卒業後、朝日新聞に入社。65年よりモスクワ特派員を経て、学芸部、朝日ジャーナル編集部に勤務。定年後は獨協大学講師を務める。91年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

27
この世のあらゆる地獄が現出したスターリングラード。獣以下に落ちぶれた人がいたなかで、人間性を煌々と輝かせた人びともいた。その原動力になったのは、文化、芸術という真実を謳いあげる職業の人々であり、他人への底のない情愛だった。人間が人間として生きるために文化や芸術がどんな役割を果たすかを本書は余すことなく伝えている。しかし、人間性が光を発するために軍民あわせて約150万の生命が失われたことを決して忘れるべきではない。戦争が破壊をもたらすものなら、文化はこの世界に創造をもたらすものであることも忘れてはならない。2018/06/22

泉 勇一郎

3
「卵をめぐる祖父の戦争」と言う小説で、執筆者が参考書にしていたと書かれていたので購入してみた作品でした。しかし圧倒的な文章量にも関わらず、のめり込むようにして読み終えてしまった作品!しかしまぁ何と言うか、スターリンは本気でドイツが攻めてこないと思っていたのだろうか??さらに、内輪もめしかできない無能な政治に振り回される最前線の兵士の不幸たるや如何に??飢餓状態に陥った市とその市民たちの生きざまの描写も生々しく描かれていて、色んな意味で驚かされた作品でした。90点!2019/02/24

俊太郎

0
非常に面白かった。下巻になると出てくる名前も固定化されてきて読みやすくなるのは助かる。圧倒的な情報量だが、これでも執筆時には検閲やら発禁やらで情報が制限されていたとのこと。レニングラード事件等の謎がソ連の崩壊を経てどこまで明らかになっているのか知りたくなったものの、最良かと思われる白水社の「レニングラード封鎖」が絶版で困る。2017/08/20

ゆーいちろー

0
「飢え、むくみ、生きることの困難な、あの冬のレニングラードほどに、人々が詩の朗読に耳を傾けたことは、それまでにもなく、これからもないことだろう」目の前で倒れた通行人が死んでいく、隣の部屋には家族の死体がそのままで、埋葬することも困難な状況。飢え、痩せさらばえた人々の中に顔色の良い「人食い」と呼ばれる人々が存在する世界。一つの都市が置かれた、おそらくこれまでにない極限状態の、これは悲惨な社会実験だ。歴史の教訓、戦争の災い、これらの事実を戦後権力によって忘却させようとしたのはソ連体制の二重の悲劇だろう。2016/11/06

キミ兄

0
完全包囲されたレニングラードの悲劇、飢餓の恐怖。 ☆☆☆☆☆。2010/05/01

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