出版社内容情報
グローバリゼーションの時代、国家とメディアの関係は敵対か共存か?来るべき世界における権力とメディアの構造を根底から考察する。
グローバリゼーションの時代、国家とメディアの関係は敵対か、はたまた共存か? IT技術は<人間>への福音か、それとも呪いか?──来るべき世界における権力・メディア・人間の関係を根底から考察する。
内容説明
グローバリゼーションの時代、国家とメディアの関係は敵対か、はたまた共存か?IT技術は“人間”への福音か、それとも呪いか?―来るべき世界における権力・メディア・人間の関係を根底から考察する。
目次
序章 ネットを“創造”したのは誰か
第1章 三つの担い手(創造的生産集団/資本主義/国家との関係性についての理論的枠組み)
第2章 国家とイノベーション
第3章 国家とその“外部”
第4章 新自由主義国家とインターネット
第5章 アラブ動乱とソーシャル・メディア
第6章 インターネットの軍事化
終章 過剰露出される社会
さいごに 二一世紀は二〇世紀の遺産を食いつぶすだけなのだろうか
著者等紹介
和田伸一郎[ワダシンイチロウ]
1969年、神戸生まれ。関西学院大学商学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、中部大学人文学部コミュニケーション学科准教授。専攻はメディア論、哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maimai
5
インターネット、ソフト、ハード、サービスの利用に関して国家、資本主義、創造的生産集団の3つの分野に関して社会を形成するといった社会を説いています。創造的生産集団のプログラマーやSEの生み出した、Google,Facebookといったサービスを提供して資本を得て、そのサービスにおける国家を形成していくと説いています。現在はiPhoneやインターネットの普及によりますますイノベーションが発生しやすい環境にあるのではないかと考えていますが、創造的生産集団の価値創出の是非が解かれています。2020/09/04
せいんこ
5
ハッカーがアイデアを試し、技術として確立する。技術が出回ると規制・規則が必要になることが通例だ。オープンソース・ソフトウェアは技術ボランティアであり、社会的な利益を上げるという点においてはプラスだが、国家が経済的な観点からそれをとらえた時は必ずしもプラスにはならない。ハッカーの技術が転用されて犯罪が起こるとき、取り締まりの対象が微妙だ。それを理由にし、取り締まるための力を国家権力に持たせるといった対応がとられることが多いようだ。国の偉い人たちは権力を強化することにご執心なのだ。困ったことに。2014/10/04
Mizhology
4
ハッカーの倫理観は初めて知った。あとは、冷戦という恐怖心を上手く使っていた人々がいたことも。海底ケーブルや衛星のメンテは、誰がどう負担してこの仕組みを支えるのかが気になった。2014/06/02
Mealla0v0
1
国家×資本主義×創造的生産集団のアレンジメントが社会を形成する。社会学的系譜学を方法論として、メディアの潜在的可能性=ポテンシャルがその都度の歴史的・社会的状況によってどの程度現勢力化するかが重要となる。本書の主題となるインターネットは、まさにこうしたアレンジメントによって説明可能だとされる。やはり注目すべきは、ヴィリリオの哲学をここまで社会学的に取り込んだ記述だろう。軍事用語をメディア論的な社会哲学に使用するヴィリリオを踏まえ、軍事技術に根を持つネットを論じている。非常に面白い。2019/03/27
Mitsuo Seki
1
やたらと、ネットと国家、ネットと企業、と対比させているけど、そんなことは少しはネットをやっているものなら知っているようなこと。それに少し難しい論文の引用を織り交ぜているだけ。 んんん・・・もっとやさしく書けないものかなぁ。それとも学者が書くとこんなもんなのか。 というか、学者ってのは大変な職業だ。ネットはもっと自由でいい、と言うだけのためにここまで小難しく書かねばならないものなのか(笑)2013/05/10