内容説明
純粋さゆえの破壊的な生を鮮烈に描く、“第二のサガン”、十七歳のデビュー作。わたしの名はシャルレーヌ、十九歳。夜になると静寂と孤独が支配するこの独房での生活も、まもなく二年になる。幼いころからわたしは、いつも何かを恐れていた。学校でも周囲にうまくなじめず孤独だった。生きるのがつらく、喉の奥に何か詰まっているみたいで、息をするのも苦しかった。そんなある日、サラが目の前に現われた。はじめて自分を理解してくれる存在に出会い、わたしは幸せだった。だが、やがて何かが狂いだす。失われた友情を取り戻そうとすればするほど、サラの冷酷さはエスカレートした。そして、長くつらい日々の末、わたしはある決心を固めるが…。傷ついてもなお突き進まずにはいられぬ思春期を描き、全仏を騒然とさせた衝撃作。
著者等紹介
ブラスム,アンヌ=ソフィ[ブラスム,アンヌソフィ][Brasme,Anne‐Sophie]
1984年生まれ。17歳で『深く息を吸って』を上梓し、華々しいデビューを飾る。若い読者から圧倒的支持を得て、本国フランスで出版されるやたちまちベストセラーとなった。透徹した描写と衝撃的な内容から、“第二のサガン”と大きな話題となり、各紙誌に特集が組まれるなど一躍文壇の寵児となっている。フランス東部のメッツ近郊在住
河村真紀子[カワムラマキコ]
大阪外国語大学外国語学部フランス語科卒、フランス文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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こうしなければ、彼女は再び息を吸うことができなかった。少なくとも彼女はそう確信していた、他の道は見えなかった。2015/03/09
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1
シャルレーヌの人生に深く関わったほんの僅かな人たちの話。サラという傲慢な親友に利用され心の隅々まで支配されながらも、一緒に暮らし続けた不器用な家族も、遠くから寄り添い続ける幼き頃の友人も、慎み深く理解しようと手を伸ばし続けた恋人もいた。牢獄にあるシャルレーヌの人生は決して不幸ではなく、この先も生きていけるだろう。2011/05/05
笠井康平
0
ちょっと力みすぎかなぁ。2011/05/16
文旦飴
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突発的でない、計画的だったとシャルレーヌは言うけれど、実行に移す際に執った手段はやっぱりどこか突飛なものであったと思う。2010/10/21
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