内容説明
謎の隠遁作家の正体を追ううちに、運命の渦にのみこまれていく青年二人の物語。経歴を明かさず、メディアにも姿を見せない正体不明の作家ホラス・ジェイコブ・リトルは何者なのか?マンハッタンの新聞社で働く新人記者ジェイクは特ダネを狙っていた。学生時代に愛読した作家の素性をつかもうとしていたジェイクは、ある日昔の恋人ラーラから同級生だったアンディの噂を聞く。アンディはリトルの短篇を読んで以来、作家の正体をつきとめることに取り憑かれ、“作家の秘密を暴露した”手記を携え出版社に乗りこんで刃物を振り回すなどの奇行を繰り返し、今は“ミューズ・アサイラム”にいるという。ジェイクは、精神を病んだ芸術家たちのためのその施設にアンディを訪ねた。秘密を知ってしまったため、自分は作家から命を狙われているというアンディの主張は信じがたかった。だが、リトルの小説を仔細に調べていくうちに、恐るべき真実が明らかになっていく…追う者がいつの間にか追われる者になる恐怖を描く、大型新人の衝撃作。
著者等紹介
チャクルースキー,デイヴィッド[チャクルースキー,デイヴィッド][Czuchlewski,David]
プリンストン大学の創作コースでジョイス・キャロル・オーツとラッセル・バンクスに師事し、イギリス文学を学ぶ。その後、マウント・サイナイ医科大学で神経病理学を専攻する。デビュー作となる『詩神たちの館』は、プリンストン大学の卒業論文をもとに書いたもので、2001年に出版されるやいなや、その傑出した独創性と緻密なプロットが各紙誌で絶賛された。ニューヨーク在住
立石光子[タテイシミツコ]
大阪外国語大学英語科卒、英米文学翻訳家
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