内容説明
本書は、日本ＳＦ作家クラブが中心となって企画された初めてのオリジナル・アンソロジー。新しい世紀の始まりにあたって、稀代のＳＦ作家たちが提示する、全篇新作書き下ろしの競演。いわばミレニアム特別企画として、発案された。その結果、ベテランの作家から新人まで、いずれも力作が集まった。さまざまな主題と問題作が共存するこのＳＦ世界は、二十一世紀に開かれた科学文明の世界観にわたる夢を織り込んでいるといっても、過言ではあるまい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
10
５００ページ超えで読むのにてこずるかと思ったが、意外とすんなり読めた。 逆に言うと引っかかるところが少ない。 まあ、全般に悪くはなかったが。 ただ、荒巻義雄と田中光二と谷甲州の「年配上位三人」のはなあ、こんなのは読みたくなかったよ。 ベストはやはり野阿梓かな。 ５４１ページ 2016/03/20
陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙
9
新井素子「あした」この作品が2000年出版と言うのを考えると未来予知してるの？SFってやっぱり！と思いながら読了。18年前を思い出しながら。そして自分と重ね合わせる部分が多く涙ポロポロ。中学の頃の衝撃的な出会いの作家さん。可愛いイメージで手にしたら胸がぎゅーっと熱くなっていく。本の良いところは、その時読む楽しみと、時代を経ても出会えたり再読や再訪ができるところ。コールドスリープの標は電気羊の夢を見るの？あの人の夢を見るの？それとも。「愛」についての標の定義に切ない気持ちになる。2019/08/16
流之助
1
アンソロジーものは、触れたことのない世界に誘ってくれるアイテムの一つです。 恥ずかしながらすべて未読だったため、新鮮な気持ちで読めました。 逃げゆく物語の話 猫の天使 以上の２作品がお気に入りとなりました。 色々な世界、時代、モチーフを描きながらも、それらはすべてこの世ならざる世界を舞台にしたSFなんですねぇ。こんなにもたくさんの世界を持っているなんて！ 堪能しました。2013/01/13
酔花
1
日本作家によるアンソロジー。「ハル」と「逃げゆく物語の話」は既読なので、それ以外をたっぷり堪能。お気に入りは「なんと清浄な街」「異星の人・ふたたび」「ドリームアウト」「猫の天使」アンソロジーのり点としては、これまでアンテナに登録してなかった作者を新たに追加できるというのがある。本作では、野阿梓と藤崎慎吾が収穫だった。2012/11/18
いちはじめ
1
ＳＦ作家の書き下ろしアンソロジー。全11編いずれも力作だが、2009年1月現在、著者自身の短編集に収録された作品が半分ほどあるので、今から読むのは微妙かも。個人的には神林長平「なんと清浄な街」、野阿梓「ドリームアウト」、藤崎慎吾「猫の天使」、牧野修「逃げゆく物語の話」あたりが印象に残ったが、野阿梓以外は本人の短編集でまた読んでいるし……。2000/12/17
