内容説明
ある冬の朝、カレッジの友愛会館のホールで全裸の死体が発見された。死体は体じゅうに卑猥な言葉を書かれアルコール臭を漂わせていた。死んだのは友愛会への入会を希望していた一年生、死因は転落死だった…。メイン州ジョージヴィルの歴史あるカレッジ、シムズベリにはカレッジ同様古い歴史をもつ運動選手を中心とした友愛会(シグマ・デルタ・ファイ)がある。卒業生たちは事業で成功をおさめ、全米を覆うネットワークでビジネス界を支配していた。そのシグマ友愛会に入会を希望していた一年生が、友愛会館内で死んだのだ。一つまちがえばカレッジの評判は地に堕ちてしまう。急遽事件の真相を究明すべく、カレッジが学生に調査を命じた。やがて死んだ一年生に関わった人々の身辺で次々と不可解な事件が起こりはじめるが―在校生のみならず卒業生までをも支配下におき、その存続のためには手段を選ばぬ友愛会(シグマ)。権力と金と凄まじいまでの暴力を使い、すべてを思いどおりに進めようとするその理不尽さに果敢に挑む学生。カレッジを舞台に繰り広げられる闘いを、鮮烈な筆致で描いた衝撃のサスペンス。期待の新鋭のデビュー作。
著者等紹介
酒井武志[サカイタケシ]
1961年生。京都大学理学部卒、英米文学翻訳家
キーン,ロブ[Kean,Rob]
ボードン・カレッジを卒業した後、ボストンのコンサルタント会社に会計士として就職。数年間勤めたのち作家として身を立てる決心をする。処女作が出版社に売れたのを機に作家として独立。フィリップ・マーゴリン、F・ポール・ウィルスン、ネルソン・ミドル、ジェイムズ・パタースンらによって激賞された。また「パトリオット・ゲーム」「ボーン・コレクター」のフィリップ・ノイス監督によってポリグラムで映画化される。今後の活躍が大いに期待できる新人。現在、ボストンに在住
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