愛されない子―絶望したある生徒の物語

愛されない子―絶望したある生徒の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 567p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152081964
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

美人で学歴も高く裕福なその女性ラドブルックは、人をよせつけない雰囲気を漂わせ、飲酒癖とたびたびの不倫で町でも浮いた存在だった。そんな彼女が、重度の情緒障害に加えて小児性糖尿病をかかえる8歳の娘が通うトリイの教室で、娘への接し方を学びたいといってきた。ラドブルックははじめのうちこそ緊張し失敗の連続だったが、しだいにクラスに必要な存在になっていった。だが、同時にラドブルックは人づきあいがうまくできないという問題に長年苦しんでいることがわかってきた。お高くとまっていると誤解されたり、夫とうまくいかないことや、酒や不倫への逃避も、これが原因のようだった。トリイは親身になってラドブルックを支え、ラドブルックも懸命に努力するが、ふたりは苛立ちと挫折をくりかえす。そして、ラドブルックの少女時代にさかのぼる辛く重い過去が徐々に明かされていく。情緒障害児との心の交流を綴って世界中を大きな感動につつみこんできた著者が、新たに親と子の問題を真正面からとらえた大作ノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

caramel

11
「シーラという子」が良かったのでこちらも読んでみましたが、発売された順番が分からなくてかなりすっとばして選んでしまったようです。でもこちらもトリイの暖かさが感じられて良かったです。子供だけの話かと思っていたら、その母のラドの事も多く描かれていて、共感するところもありました。こういうお話はその現場にいた人しか中々分からないことばかりだし、貴重なお話を聞けたような感じでとても好きです。他の作品も読もうと思います。2022/08/04

ことり

7
賛否両論あると思うが私の好きな本。たった一年でこれだけの事が出来たという点で感謝する家族もいただろうし、「うちの子は変わっていない」と不満を抱えている家族もあるだろう。しかし何よりラドブルク(女性助手)が、自らの精神的補助を求めていたのにも関わらずトリイと一緒に子供達に素で接せる事が出来、そして最後には自らの問題を克服したのが素晴らしかった。ただ毎度トリイの本を読むたびに思うのだけれども子供達の問題がもう少し好転するまで見てやれないのだろうか。 何にせよ疑問が満ち満ち溢れているがそれでもトリイが好きだ2012/12/11

カッパ

6
感想を書いていた人がいたので読んでみた。愛されない子のメインはラドだと思う。おそらく脳の機能障害があり、親子関係が不安定だった彼女はとてもうつくしかった。そして、博士でもあった。しかし、彼女はアルコールに依存し子供と同じように苦しんでいた。トリイとのやりとりや夫との対立をへて失敗もありながら立ち直っていくすがたには勇気をもらえる。2023/04/21

くまこ

5
情緒障害児クラスの日常がとても興味深かった。タイトルから児童虐待を連想したが、必ずしもそうではなく、人と人との触れ合いを描いたヒューマンドラマだと思う。愛されない人間なんてこの世に一人もいない、というメッセージとして受け止めた。アルコール依存症の実態についても克明に書かれていて、共感するところが多かった。2012/07/10

okk

4
大昔に違うシリーズを読んでいて久々の。虐待の話が多いのかと読むのにかなり迷ったけどそんなこともなく、読んでよかった。とてもおもしろかった。 先生のトリィの子供たちへの接し方は今子供がいる身で参考になる。 一年間私もこのクラスの生徒たちを見てきたようで読み終わるときは少し寂しい気持ちに。ジュラルディンが心配。その後どうなったんだろう。2020/06/29

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