内容説明
政治ゲーム、ドタバタ・アクション、風刺劇、詩的戯曲。好評『怪物』につづく、日本語版オリジナル戯曲集第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツカモトカネユキ
3
1995年発行。1994年発行の戯曲集「怪物」に続く第二弾。1972年から1977年までに作成された四篇が収められています。年代的には、先の作品と被っていますが、少し長めの戯曲が中心です。政治的、社会的な問題を取り上げていますが、それぞれが暗く重い問題です。直接的な表現でなく、何かを例えるような事柄から帰納的に本筋へと導こうとするので読み解くのに少し考えさせられます。演劇で表現されると、また違う味わいがありそうなので演劇の形でなぞることができると、より理解が深まる気がしました。2025/06/19
uburoi
2
ナンセンスなドタバタ劇が表題の「伝染病」であって、政治への風刺色が強い「鼠が通る」等4篇収録。最後の「星々を恐れよ」はスペイン内線を背景したリアリスティックなサスペンス劇に仕上がっている。リアルと見えながらアゴタっぽいどこか薄気味悪い不条理な臭いが漂ってくるのだが。2022/01/01
iwtn_
2
戯曲集2つ目。これでアゴタ・クリストフの国内で出版されたものに関しては全て読んだことになる。コメディ調の作品もあり、ただやはり雰囲気は暗く感じた。 タイトルの「伝染病」はコロナとは全く違う感じの病気(しかも架空)のもののようだ。また、あちらの風俗をよく知らないと中々場面を想像しにくかったものも多かった。戯曲はシェイクスピアとかアーサー・ミラーを少し読んだけど、そのあたりが難しそう。国内のものでもいいから、実物を見に行くべきなのかもしれない。2021/07/31
dokusyotyu24
2
戯曲集。4篇収録。『鼠が通る』『灰色の時刻、あるいは最後の客』『伝染病』『星々を恐れよ』。 最後の『星々を恐れよ』が一番好み。2021/03/05
やいゆえよ
1
そこら3週間でクリストフの本を全部読んでしまった。「悪童日記」がよっぽど刺さったんだろう。/どの本を読んでもどこまでも虚無が広がっている。そこは心地よくもあり、辛くもある。2024/03/21