感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koo
8
第一次大戦のソンムの戦いに隠された謎を、1970年代を舞台に若き歴史学者ミッチェルが、謎の組織に命を狙われながら追求する巻き込まれスリラースタイルの作品でした。関係者を躊躇なく殺す敵の組織に狙われる理由となる謎がなんなのか全くわからないままストーリーは進行し、終盤に意外な真相と結末を迎えるオーソドックスな構成でした。視点人物であるミッチェルではなく彼を保護する国防省諜報員オードリが実は主人公だったことがユニークでした。作品を通して自分がほとんど知らなかった第一次大戦の情報が印象深かった作品でした。2025/02/16
sohara
0
1974年のゴールデン・ダガー賞受賞作。著者の作品ではおなじみの英国国防省の諜報員、オードリとバトラーのコンビは出てくるものの、本作の語り手は第一次大戦の研究者ミッチェル。彼がソンム地方の激戦地をめぐる英仏スパイ合戦に巻き込まれ、半世紀余前に戦場から忽然と消えた英歩兵連隊の謎に迫る。白亜質の土壌に掘られたトンネルや英国初の戦車が使い物にならなかった話等、第一次世界大戦に関するトリビアが興味深い上質の歴史ミステリー。2012/06/16
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