内容説明
第2次大戦後、素粒子物理学は沈滞の時期を迎えた。相対性理論、不確定性原理などが産み出された輝かしい時代は過ぎ去り、物理学は出口のない袋小路に入りこんでしまったように見えた。そうした状況を打開すべく、ファインマン,ワインバーグ,ゲルマン,グラショウら新世代の物理学者たちは、電磁気力・弱い力・強い力の3つを統合する統一理論の探究に乗り出していく。やがて、クォークや中性カレントの発見、電弱統一理論の完成などによって、宇宙を構成する素粒子の謎は徐々に解き明かされていった。そしてついに、彼らの作り上げた素粒子物理学の標準理論が、巨大な粒子加速器を用いた実験によって立証される日が来た―。自然界最大の謎に挑んだ理論物理学者たちの探究の軌跡と、その理論を立証しようとする実験家たちの長年にわたる苦闘とを、豊富なエピソードをまじえながら描いた20世紀物理学史の決定版。
目次
3 弱い力(統一への歩み;破れた対称性)
4 強い力(8道説;王様とクォーク)
5 大いなる統合(ヒドラ退治;くるくる変わった中性カレントの発見;チャームとパリティ)
6 統一(時間のはじまり;物理学の終焉)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
30
下巻では、いきなりまたジュリアン・シュウィンガーが再登場。 量子電磁力学の話は、上巻でファインマンや朝永振一郎の話と一緒に出てきたはずなのに何で?と思って読んでいたら、グラショウの大学院時代の指導教官だったからのようです。 最後は、ホーキングがケンブリッジ大学のルーカス記念教授に就任した時の記念講演である「理論物理学には終点が見えてきたか?」の講演内容を取り上げてます。この時、ホーキングは20世紀の終わりには終点が見えてきたとしてますが、2021年の今も未だ終点は見えてません。2021/12/16
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