内容説明
大戦直前の1941年、アメリカがまだ平和で希望に満ちあふれていた最後の夏に、一人のアイルランド移民のボクサーが無敵のヘビー級チャンピオンに戦いを挑んだ。みずからが最強であることを証すために、死の床に横たわる母親のために、そして愛する女のために―王者ジョー・ルイスをKO寸前まで追いつめながら敗れ去った挑戦者ビリー・コンの栄光と挫折の物語「ボクサーとブロンド」。16歳で天才の名をほしいままにしながら、その才能ゆえに若くして身を滅ぼした騎手トニー・デスピリートの短い生涯を描く「人生を乗り越えられなかった少年」。母校へコーチとして赴任したかつてのフットボールの英雄を待ち受けていた悲劇「小さな町のヒーロー」など、スポーツの世界に生きる人々の光と影を、アメリカを代表するスポーツライターが、かぎりない共感と優しさをこめて鮮やかに描く8篇のノンフィクション。
目次
ボクサーとブロンド
人生を乗り越えられなかった少年
史上最高のゴルフ・マッチ
男に打ち勝つために女に育てられた男
アングロがインディアンと出会うとき
大恐慌の落とし子
小さな町のヒーロー
48歳以下の女性、デートおことわり