内容説明
勤め先をくびになったテロリズム専門家ブース・ストーリングズのもとに、まるで待っていたかのように大仕事がとびこんできた。フィリピンの新人民軍(NPA)の指導者アレハンドロ・エスピリトを500万ドルで買収して香港へ亡命させろというのだ。依頼者はフィリピンに投資している謎の資本家グループ。エスピリトさえいなくなればNPAは骨抜きになり、アキノ政権は安定して、自分たちの利益も上がるというわけだった。何やら裏のありそうな仕事を手伝うために、海千山千のプロフェッショナルたちが極東に集結してきた。500万ドルの取引きをめぐって、虚々実々のゲームが開始された。スピーディでしたたかで、粋、ロス・トーマスの『女刑事の死』に続く待望の新作。
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
marb21
1
1980年代後半のフィリピンが舞台。500万ドルで革命軍の首領を引退させるミッションで5人の仕事師達が集結。 魅力的なキャラクターと小粋な会話で楽しませてくれますが、登場人物がそれぞれの思惑にのっとって動きだし、その行動の説明がほとんどない為、それぞれの思惑の最終形がイメージできない。ラスト付近で2人で銀行に行くが、最初からそれやったらよかったのでは?と思ってしまった。序盤のワクワクに見合うカタルシスは得られなかった。2025/01/24
ふう
1
なんて粋な小説なんだろう。チープでゴージャス、そしてスピーディーでスマート。嫌味にならないギリギリのユーモアに溢れたコンゲームの佳作。日本人がこういうの書こうとすると全部裏目に出そうなところがすべて上手くいってるのがすごい。ウー&デュラントを筆頭にストーリングズ、オヴァビイ、ジョージアの主要キャラはともかく、ちらっとしか出てこない雑魚キャラでさえ本当いきいきとして魅力たっぷり。解説を大沢在昌が書いてたんだけどなんとなく頷けた。大沢先生、まだまだですね(何様)2013/10/13
tm
0
面白い。ロス・トーマスの他の作品も読もう。2016/11/13