感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hibimoriSitaro
4
再読。1974年9月改訂初版の1998年3月改訂7版。『盗まれた街』が有名なフィニイの短編集で訳は福島正実。時間SF多し。どれもおもしろく,あんがい古びてないのはおれが旧い人間だからか。ベストは,うーん,高所恐怖気味で冷や汗がどばっと出た「死人のポケットの中には」としよう。「レベル3」は社会階層の第三等級市民みたいなのを予想したら単に「地下二階」のことだそうで肩透かしと言うか,福島さんのミスリード狙いかしらんね。2021/09/25
竜王五代の人
2
「異色作家」短編集には入っているけど、ちょっと風変わり、程度の軽くて読みやすいものである。「ゲイルズバーグの春を愛す」の姉妹編のような、古き良き過去にひょいっと入ってしまう「レベル3」「第二のチャンス」が白眉か。「ニュウズの蔭に」「世界最初のパイロット」のような笑話もあり。 さて「レベル3」という意味深そうな題名だが、直截に「(謎の)地下三階」で良かったのでは、と思う。あと、「第二のチャンス」に出てくるイリノイ州ヘイルズバーグはゲイルズバーグの別表記だろうか?2020/12/01
りん
2
時間と次元というSFの手法を用いた11編が収録されている。全体に漂う奇異な雰囲気とユーモアが格別。願わくは、もっと若いころに読みたかった。解説より。「異質のなにかが、あるかも知れずないかも知れない、そこに漂う未知の恐怖とサスペンスとが、フィニイ本来の世界なのである」2017/04/24