出版社内容情報
仕事を失い、夫の浮気に絶望していたリリアン。彼女に魅力的な男性が接近してくる。妻の変化に気づいた夫は尾行を開始するが……。
内容説明
夫のマイクの浮気が発覚し、新聞社も解雇されたリリアンに魅力的なデイヴィッドが接近してくる。彼はヨットのオーナーで、マリーナの仕事を紹介してくれた。リリアンは解雇や彼のことを夫に黙っていたが、日焼けして活き活きとしてきた妻に不安を覚えた夫はGPSで尾行を開始する。夫は情緒が不安定なリリアンをずっと支えており、今回の浮気も実は…。妻の視点と夫の視点で、全く違う世界が交錯する傑作サスペンス。
著者等紹介
トーレ,A.R.[トーレ,A.R.] [Torre,A.R.]
《ニューヨーク・タイムズ》紙のベストセラー作家、アレッサンドラ・トーレのペンネーム。すでに20冊以上の小説を執筆している。『ELLE』や『ELLE UK』などで取り上げられ、『コスモポリタン』や『ハフィントン・ポスト』にゲスト・ブロガーとして寄稿している。また、作家志望者のためのオンラインスクール〈Alessandra Torre Ink〉の創設者でもある
北野寿美枝[キタノスミエ]
神戸市外国語大学英米学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
79
まさかそういう展開だったのか。マイクとリリアン夫婦に一人息子のジェイコブ。マイクの浮気が発覚し、タイミング悪く仕事を解雇されたリリアン。リリアンの不安定さに不穏な気配を感じる前半。やがて近づいてくるデイヴィッドとの関係でリリアンが変わっていく。面白くないマイクは妻の行動を監視し始める。イヤミスかと思いきや…。読み進めていくと予想ができる結末だが、少しずつ重なる嘘や隠し事がうまい。現実離れした部分で好みが分かれそう。わかっているようで、夫婦ってやっぱり他人だな。2025/03/29
yukaring
65
妻と夫、親友の視点が交錯するスリリングなサスペンス。夫の浮気が発覚し同時期に記者の仕事も解雇されたリリアン。絶望していた彼女はカフェで出会った魅力的な男性デイヴィットにのめり込んでいく。しかしそんな蜜月は続くわけもなく…。彼女を怪しんだ夫が内緒でGPSを使い尾行。しかし事態は思わぬ方向に向かっていく。登場人物たちの“嘘”により視点が変わるごとに世界も変わっていく。章立てが「死の二か月前」から「現在」までカウントダウン。誰の死なのかと予測しながら読み進めたが、登場人物が少なく犯人は比較的わかりやすかった。2025/03/27
とも
25
夫の浮気、自身の解雇と浮気。妻の視点と夫の視点は全く違っており…と裏表紙に書いてるのだがそういった話や展開ではない。どうやったらこの魅力的な紹介文からこの内容になるのか。ダメミス。これでは…早川の担当者が優秀なだけではないか。というか本来は〇〇文庫から出るような本、ブランド価値下げるから作品は選んだ方がいいよ。2025/07/22
練りようかん
16
全てを引き起こした原因を指すお断りの文が不穏だ。新聞社を解雇されるかもしれない不安を抱える中夫の浮気を知る妻と、浮気以上の何かを明らかに隠している夫の視点で展開。妻も浮気に走るのだが、20年以上も記者をして背後の動きに思い至らないのか不可思議だった。しかし3回の流産などそれならと思える情報開示で、家族を養い守ることを使命とする夫の言ってることとやってること違うと感じた隔たりが徐々に間隔を狭め、不測の事態の引き金が鶏と卵の関係に似て胸苦しかった。関係が良好であろうとなかろうと家族はひと括り。息子が可哀想だ。2025/07/21
本の蟲
14
裏表紙あらすじをまとめると「夫の浮気疑惑に悩むリリアンだが、彼女もまた失職時に世話してくれた男と不倫関係に。妻の変化に気づいた夫は、今までリリアンを支えていて、実は今回の浮気も…」良い意味で捉えらえることが多いあらすじ詐欺だが、普通にあらすじ大嘘で大減点。実は浮気していない。妻を守るなにかしらの工作。はたまた妻にも秘密があって騙し合いの攻防等期待していたが「夫浮気してました」「ついでにクズ野郎です」一体何が「支えていた」のか。夫婦の視点入れ替えはともかく、死人になっても続く幽霊視点をぶち込んできて興ざめ2025/05/06