出版社内容情報
嵐の夜、船乗りジェムの死体がノース・デヴォン沖合で発見された。彼はなぜ嵐のなか船を出したのか。マシュー・ヴェンが謎に挑む
【目次】
内容説明
ノース・デヴォン沿岸の村グレイストーン。村に逗留する冒険家ジェム・ロスコーが、嵐の朝、海上のボートで死体となり発見された。捜査にあたるのは、因縁浅からぬこの村を再び訪れた警部マシュー・ヴェン。彼の捜査によって、ロスコーは村で何者かを探しており、事件当夜にロスコーの元を謎の女性が訪れていたことが判明するが…。小さなコミュニティの中で渦巻く嫉妬や秘密、そして耐え難い後悔を暴くシリーズ第3作。
著者等紹介
クリーヴス,アン[クリーヴス,アン] [Cleeves,Ann]
1954年、イギリス西部ヘレフォードシャーに生まれ、その後ノース・デヴォンへ移り住む。1986年にA Bird in the Handで作家デビュー。2006年に〈ジミー・ペレス警部〉シリーズの第一作『大鴉の啼く冬』で英国推理作家協会賞最優秀長篇賞を受賞。2017年に英国推理作家協会賞ダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞。2020年には『哀惜』でアガサ賞最優秀長篇賞を受賞する。英国ミステリ界の巨匠として、国内外から高い評価を受けている
高山真由美[タカヤママユミ]
青山学院大学文学部卒、日本大学大学院文学研究科修士課程修了、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ@多忙につき低浮上
78
〈刑事マシュー・ヴェンシリーズ〉3作目。今回の舞台はノースデヴォンの沿岸グレイストーン。村にはブレザレン教会の大きなコミュニティがあり、マシューには良い思い出がない土地だ。村出身の英雄で冒険家のロスコーが帰郷し殺された。ロスコーは生前に人を待っていた。それは誰だったのか。恵まれた家庭に育ったわけでないロスコーが成功した最初の資金はどこから出たのか。私生活の謎。登場人物の心情が丁寧に描かれるはいつもながら、老いていく姿も生々しく、風景に重なり見事な世界を表していた。2026/09/16
M H
31
今年はアン・クリーヴスの新刊が2冊あってうれしー♪角度を少しずつ変えながら心理と人間関係をあぶり出していく手腕は「水面の弔花」で堪能できた。本書は地元のヒーロー的な存在だった被害者を取り巻く感情と古くからのコミュニティーを屈託まじりに受け止め、捜査していく。自制心で隠している本音と穏やかな物腰のマシューが今回も魅力的。真相は終盤いっぺんに視界が拓ける描き方で、そういう話と構図だったのかと驚く。あとがきで紹介される次作もすごく読みたい。2026/09/25
しゃお
29
〈マシュー・ヴェン警部〉シリーズ3作目。海辺の小さな町で起きた有名人の殺人事件。今回も小さなコミュニティによる閉塞感が漂う中で、宗教や差別、嫉妬など様々な感情が渦巻く人間模様が事件を通じて描かれていきます。今回も地味だけど滋味溢れる文章。マシューを始めとした捜査チームの面々の細かい心理描写にも惹きこまれます。ボリュームありますが実に読みやすく、けれどもその一文一文をじっくり読んでいたい、ずっと浸っていたくなるため、思いのほか読むのに時間がかかったりも。次作は著者自身が気に入っているということでより楽しみ。2026/10/26
わたなべよしお
20
アン・クリーヴスさん、いつものように流石ですね。日々の暮らしや悩み、イギリスの階級意識、宗教などから立ち昇る人々の感情を丹念に描いていて、しかもそれらを退屈させないで読ませる。いつも思うけど、上手いよなぁ。唯一、感心しなかったのは、事件の解決の仕方でした。あれじゃ、解決させるために犯人が自ら姿を現したみたいです。2026/10/02
pulp
15
海辺の田舎町。帰還した町の英雄であり、冒険家の男が嵐の朝に海上のボートで死体となって発見される。マシュー、ジェン、ロスの捜査チームは、小さなコミュニティの中に分け入っていくが、そこに渦巻くのは嫉妬、嘲り、秘密、諦念、そして後悔…… ちいさな町の住民の人間関係を、地味にひとつひとつ解きほぐしていくだけのミステリがなんでこんなに面白いの。もう、ずっと読んでいたい気分。2026/09/09
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