出版社内容情報
探偵小説黄金時代に一冊の短篇集を発表して以来、孤島で暮らす作家。その秘密とは? 七篇の作中作が織り込まれた傑作ミステリ!
内容説明
独自の理論に基づいて、探偵小説黄金時代に一冊の短篇集『ホワイトの殺人事件集』を刊行し、その後、故郷から離れて小島に隠棲する作家グラント・マカリスター。彼のもとを訪れた編集者ジュリアは短篇集の復刊を持ちかける。ふたりは収録作をひとつひとつ読み返し、議論を交わしていくのだが…フーダニット、不可能犯罪、孤島で発見された十人の死体―七つの短篇推理小説が作中作として織り込まれた、破格のミステリ。
著者等紹介
パヴェージ,アレックス[パヴェージ,アレックス] [Pavesi,Alex]
イギリス・ロンドン在住。数学の博士号を持ち、ソフトウェア・エンジニアを経て『第八の探偵』で作家デビュー。2020年の米“ニューヨーク・タイムズ”紙の年間ベスト・スリラーおよび英“タイムズ”紙の年間ベストミステリに選出されるなど、高く評価された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
116
2022年このミス海外第10位。 隠遁した作家と 編集者との 読書会で 進む 短編集である。一編が終わるたびに 感じる違和感が 何かが起こりそうで 楽しい。 作中作の中には クリスティーへのオマージュが濃厚に表れているものもあり、英国伝統の雰囲気満載である。徐々に浮かび上がる作家の秘密とは何なのか? どんでん返しの連続に 英国ミステリーの伝統を感じる…そんな作品だった。 2021/12/08
cinos
109
7つのミステリ短編の作品集復刊のために編集者は作者と会って話を聞くが…。短編のもとになるミステリ理論は大したことありませんでしたが,メタミステリで楽しめました。『そして誰もいなくなった』風短編が面白かったです。2021/05/06
stobe1904
85
【凝りに凝った本格ミステリ】殺人事件を描いた7つの作中作が中核に据えられた本格ミステリ。作中作ミステリなので少し構えて読んだが、後半の大きなヒネリの連続は予想を超える面白さだった。ピースとしての作中作と全体像の構造はそれほどトリッキーではなく読みやすいが、それでも作中作ミステリは読者を選ぶと思う。クリスティの名作をモチーフにした作中作が興味深く、独創性あふれるミステリ作品だった。★★★★☆2021/05/08
オーウェン
70
小島に引きこもる作家のグラントの元へ、編集者のジュリアが短編集の復刊を企画する。 収められた7つのミステリに対し、それぞれ両者で考察していく。 作中作と言う形で7つのミステリを楽しめる。 その途中から微妙な違和感をジュリアがグラントに突き付けていき、なぜジュリアがここに来たのかの目的が明かされていく。 海外作品にしては珍しい新本格なつくりのミステリ。 その中で過去のクリスティなどのミステリを置き換えて、ラストでそれをひっくり返すつくり。 デビュー作ということだけど、長編も読みたくなるつくり。2021/08/12
雪紫
61
なんか短編どれも、もやもやするなと思ってたらこう来るかぁ・・・とばかり(ちょっと伏線少ないかつ反則過ぎないかと思いつつ)に意外な真相乱れ打ち。なんか、ズルいと思いつつ、こういうネタの良い使い方がわからなかったので負けた感。でもなんか足りないと思ってしまう。なお、短編はそして誰もいなくなった的事件第1発見者の話の「青真珠島事件」と死んだ相棒が見える刑事の「階段の亡霊」が好み。2021/06/16
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