出版社内容情報
幽霊屋敷で行われた交霊実験。だがその最中に密室殺人が発生し……。名探偵があまりにも意外な真相を暴く、本格ミステリの名作!
ポール・アルテ[アルテ ポール]
著・文・その他
平岡 敦[ヒラオカ アツシ]
翻訳
内容説明
密室で夫人が自殺して以来、奇怪な噂の絶えないダーンリーの屋敷。幽霊が歩き回るというこの家に移り住んできた霊能者の夫妻は、関係者を集めて交霊実験を試みる―それは新たな事件の幕開けだった。死体を担ぐ人影。別の場所で同時に目撃された男。そして呪われた部屋に再び死体が現れる…奇術のごとく繰り出される謎また謎!各探偵の語る最後の一行が読者にとどめを刺す!フランス本格推理の歴史的傑作。
著者等紹介
アルテ,ポール[アルテ,ポール] [Halter,Paul]
フランスの作家。1955年生まれ。1987年に『第四の扉』で作家デビュー、コニャック・ミステリ大賞を受賞した。翌年『赤い霧』では冒険小説大賞を受賞。日本でも『本格ミステリ・ベスト10』海外部門で3年連続で年間1位を獲得するなど、高い評価を受けている
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生、早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修士課程修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
440
ポール・アルテは初読。フランスのミステリー。本書がアルテの文壇デビュー作であるらしい。よく言えば古典的。しかし、実のところはおよそ1987年の作とは思えない古めかしさ。すべては謎解きに賭けられているのだが、その構造があまりにも作り物めいて人工的である。トリックそのものから、それを物語の世界に解消していったのがミステリー界の潮流だったはずなのだが、本書は見事にこれに逆行する。メタ・フィクションの構成をとるのも、その故であると思われるが、結局はトリック解明のあり方もまた古い。オールド・ファン以外は納得しない。2021/02/10
ケイ
143
密室殺人ミステリ、というかそれを含むミステリ。この時代に、あえて科学捜査やアクションを交えず、謎解きに焦点をおき、さらにその上で読者を翻弄する。最後まで、二転三転の展開にえぇっとなったまま読了。スリリングさはないが、謎解きミステリ好きにおすすめ。2019/05/23
Bugsy Malone
85
お気に入りさんの感想を読んで。終戦間もないイギリスという時代設定、屋敷に幽霊に降霊術、しかもフーディーニまで。有り得ざる状況も論理的に導かれ、一捻りもふた捻りもされた構成に本格推理小説を超えたものを感じました。大変面白かったです。2019/01/23
ちょろこ
82
読むにつれて背筋が伸びた一冊。初読み作家さんの本格ミステリ。幽霊屋敷に交霊会というオカルト系、そして密室殺人と心惹かれる要素てんこ盛り。まずは本格ということで少しかまえてみたものの、堅苦しくなく、読みやすさに安心して寝転びながら読み始めたほど。だけれど読むにつれ、なんだか座りたくなり、自然と背筋が伸び、最後は正座をしたくなるような感覚だった。この展開は久々にミステリらしさを味わえて良かったな。最後の最後まで楽しめた満足な作品。2018/10/14
yukaring
69
初読みの作家だが純粋な王道本格ミステリでとても楽しめた。夫人が自殺してから幽霊が出ると噂されるダーンリー屋敷。住人が長続きしないこの屋敷にあえて引っ越してきた霊能者夫婦。妻を降霊してくれるこの夫婦に傾倒していくダーンリー氏。ある日夫婦とダーンリー氏は関係者を集めて降霊会を試みるが鍵のかかった部屋から現れたのは男の死体。彼はどのようにして殺されたのか?作者はカーのファンらしく怪奇現象や不可能犯罪への強い愛着が感じられる。遅れて登場の名探偵が語る奇術的トリックの解決編、そのラスト1行の仕掛けがすごい作品だった2022/12/08
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