出版社内容情報
ブラウン神父が鋭い推理を繰り出す傑作短篇シリーズ〈第1集〉の新訳版。全十二篇収録
内容説明
まるい顔に小さな体、手にはこうもり傘を持ち、シャベル帽をかぶった冴えない神父。しかしひとたび事件が起きれば、その風貌からは想像もつかない鋭い洞察力で、次々と真相を看破していく!シャーロック・ホームズと人気を二分する「ブラウン神父」の傑作短篇シリーズ“第1集”の新訳版。伝説のダイアモンドが消えた「飛ぶ星」、現場付近に残された凶器と死体を巡る「三つの凶器」など全十二篇を収録
著者等紹介
チェスタートン,G.K.[チェスタートン,G.K.] [Chesterton,Gilbert Keith]
1874年、ロンドン生まれ。作家、詩人、批評家、ジャーナリストなど、小説だけにとどまらず、多方面にわたって大きな足跡を残した。1936年、死去
田口俊樹[タグチトシキ]
1950年生、早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おか
58
テレビでよく観ているシリーズ物の第1弾短編集。「青い十字架」「秘密の庭園」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「透明人間」「イズレイル・ガウの誉れ」「まちがった形」「サラディン公爵の罪」「神の鉄槌」「アポロの眼」「折れた剣の看板」「三つの凶器」まぁ ブラウン神父のちょっともたもたした感じはよくでているが 最初の方は イラッとするくらいもたもたしている(笑)最後の「三つの凶器」でやっと普通のもたもた感になった(笑)ブラウン神父はやはり神父だけあって 解決はなんか暖かいなぁって思う。又新たなシリーズ物に手を出した💦2019/03/19
k5
51
古典ミステリフェア① かつて創元推理文庫版を読んでいたのですが、こんなに魅力的な小説だとわかってなかったな。知的で心優しく、なによりも皮肉屋のブラウン神父は好みのキャラクターですし、充実したトリックは驚きというより納得のカタルシスをもたらせてくれます。フランボーの存在で活劇の要素もあるし、夢中になって読みました。そんなわけで古典ミステリの魅力をしばらく探ってみようと思います。2025/08/04
yumiha
40
『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信)で知った「イズレイル・ガウの誉れ」を収録。「奇妙でゆがんだ誠実の物語」(P216)を書きたくて、米澤穂信が「玉野五十鈴の誉れ」を書いたのだと思った。さて、本書のブラウン神父は、ゴブリンのような全くさえない神父。でも、現場の状況から適切に推理を進める。また、大上段に正儀を振りかざさないし、ただ真実を明らかにするだけなのも好ましい。相棒となったフランボーにも、もう少し活躍の場がほしいと思ったのは、贅沢な望み?2019/03/27
geshi
36
題名に様々なヴァリエーションがあるが「無垢」が一番しっくりくる。100年前の作品なのに古びた感が無く、ブラウン神父のキャラクターの希薄さも含めて普遍性のある読み継がれる作品。文章は綺麗なんだけど持って回っていて眠くなってしまうし、実際何度か寝落ちしてしまった。 『透明人間』はあのトリックの嚆矢にして手掛かりの出し方がフェア。ブラウン神父の突飛な言葉が理に落ちるカタルシス。『秘密の庭園』は定番トリックの原初+シリーズものでしかできない叙述トリックの合わせ技に舌を巻く。2016/06/09
Small World
34
個人の読書としてはイノセンスつながりで、本書を読了です。童心やら無知やら、様々なタイトルがある本書ですが、読んでみると、たしかに適当な言葉を当てはめるのは難しい感じです。ミステリーの古典らしい短編集なんですが、きっと、この人がブラウン神父の相棒役を務めるのかなと思った人が……………あれっ‼、で、こっちが相棒役に‼‼ って、はじめの方で驚かされました。(笑)2016/11/03