出版社内容情報
海外の最新傑作を常に紹介し続けてきたミステリ専門誌だからこそ揃えられた豪華傑作選
内容説明
日本一位、世界二位の歴史を誇るミステリ専門誌“ミステリマガジン”の創刊700号を記念したアンソロジー“海外篇”。一九五六年の創刊当時から現在に至るまでの掲載短篇から、フレドリック・ブラウン、パトリシア・ハイスミス、エドワード・D・ホック、クリスチアナ・ブランド、ボアロー&ナルスジャック、イアン・ランキン、レジナルド・ヒルら、海外の最新作を紹介し続けてきたからこその傑作がここに集結。全篇書籍未収録作。
著者等紹介
杉江松恋[スギエマツコイ]
1968年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。在学中は慶應義塾大学推理小説同好会に所属。翻訳ミステリを中心とした書評のほか、映像作品のノベライズも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スカラベ
61
アメリカ発祥の月刊ミステリー小説誌の日本版『ミステリマガジン』。この創刊700号記念の短編集。厳選の16作が各々多彩な光を放つ。全てミステリーかというとそうではなく、不条理だったり幻想的だったりする作品もちらほらと紛れ込んでいる。最初は海外らしいウィットについていけないところもあったが、「憎悪の殺人」あたりから断然面白くなってくる。切れの良い終わり方がいい「拝啓、編集長様」、一捻り効いたブラックさが溢れる「子守り」、だんだんといたたまれなくなるが、最後の一言がお洒落な「リノで途中下車」あたりが秀逸でした。2014/06/19
Panzer Leader
51
ミステリマガジン創刊700号記念のアンソロジー。初読みの作家から名前を見るのも懐かしい作家たちのバラエティに富んだ短編集は色々な味付けの料理を堪能できるバイキング料理の様。オー・ヘンリーの作品といっても全く違和感のない『マニング氏の金のなる木』が一番のお気に入りでした。2017/10/21
燃えつきた棒
47
ジャック・フィニィの「リノで途中下車」が、リアルに怖かった。 たくさんの 不幸産み出し 潤わん これが日本の 道ならば〜♬〜/ IR推進法を制定して、国を挙げてカジノの法制度化に邁進しなければならないのは、それだけこの国が経済的・精神的に貧困化しているのだろう。2019/08/22
takaC
45
16話ともぜんぶ初読み。最後にきょとんとさせられた話がいくつかあり、訳者を経由して作者の真意が正しく通じたのかどうか若干自信なし。2014/05/29
ネコベス
36
ミステリマガジン創刊700号を記念し選りすぐりの海外短編16篇を収録したアンソロジー。5年ぶりの再読だったが実力者ぞろいの豪華メンバーだけあってどの短編も質が高く楽しめた。手紙の行き違いから異様な姉妹の間に起こる緊張感溢れるサスペンスが素晴らしいクリスチアナ・ブランド「拝啓、編集長様」が出色の出来。他にシャーロット・アームストロング「アリバイさがし」、パトリシア・ハイスミス「憎悪の殺人」、ルース・レンデル「子守り」、レジナルド・ヒル「犬のゲーム」、ジョイス・キャロル・オーツ「フルーツセラー」が面白かった。2020/02/14