内容説明
警察を退職して私立探偵となったばかりのマットが担当することになったのは、バス会社職員の失踪だった。男の妻にも周囲の人々にも心あたりは何もない。だがマットの地道な調査は、徐々に男の知られざる顔を…平凡な主婦、プロのボディガード、初老の私立探偵。まったく異なる三人が直面する三つの事件は、たがいに絡みあい、意外な構図を描き出す。ミステリの新たな地平、南アフリカから現われた世界的ベストセラー!
著者等紹介
メイヤー,デオン[メイヤー,デオン] [Meyer,Deon]
1958年南アフリカ共和国西部のパール生まれ、北西州のクラークスドープで育つ。空軍での兵役を終了後、ポチェフストルーム大学を卒業。フリーステイト(自由州)のブルームフォンテーンで日刊紙の記者、コピーライター、ウェブマネージャーなどをつとめ、1994年にWie Met Vuur Speelで作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
54
ミラとレマーの話に私立探偵になったばかりの初老の私立探偵マット・ジュベールの話が加わり、さらに、テロ組織を追跡するPBIという組織の動きが絡むという複雑な構成。禁止されているクロサイの密猟、ダイヤモンドの密輸といかにもアフリカ的な犯罪だけでなく、あっと驚く人物までが登場する。ただ、アフリカのことをあまりよく知らない身には、ややこしいばかりで今ひとつわかりにくかった。2024/05/10
goro@the_booby
34
主婦とボディガードと探偵の話が、テロ、密輸、失踪の三題話になって、なるほどこんな結末になるのかと驚いた。失踪事件を追う退職警官のマットとその妻マーガレットの関係が良いね。結末と書いたけど、マット以外の追跡者たちは続きがある物語だな。主婦だったミラの覚醒後が気になるところですわな。2016/03/26
barabara
9
あっけなく主婦の恋も終わってしまった…命を賭けるような恋だったのに、尻つぼみでどんどん違うストーリーが重ねられてまとまりがない!私は主婦が活躍する話が読みたかったけど、主婦もコマの一つにしかすぎないキャラだったようで残念。スピード感とストーリーテラーに長けてる小説だったが、感傷にひたることとは無縁の小説だった。印象的だったフェリスやレマーも最後にちらっと。前半あれだけ素晴らしいダイヤモンド運搬劇だったのに。ミラーも最後に作家になったと言われても。日本人としてはそこが足りないと感じるのでは?2013/08/04
himehikage
6
登場人物はもちろん、小説の味わいも異なる3つのストーリーで構成された犯罪小説。3つ目の私立探偵マットの話が良かった。主人公が信頼できる人物に描かれていて、この小説の流れのなかではホッとするし、1つ目のスパイ小説風よりも読み慣れている探偵小説ってことで、著者の筆力の確かさもわかりやすかった。この探偵マットの続編があったらまたぜひ読みたい。2013/11/29
わたなべよしお
6
南アフリカを舞台にした、テンコ盛りのクライムノベル。スパイ・探偵・警察という三つの物語が楽しめる。この三つが一気にまとまって、思いもかけない事実が姿を現すというカタルシスはイマイチ。とはいえ、それぞれに面白く、質は高い、登場人物も魅力的でどれを読んでも満足できた。余談だが、南アでは「彼女はニッサンだ」というと、情熱的という意味らしい。「結婚するならトヨタ」という言い方もあるそうだ。ちなみに3番目の物語の主人公が惚れ込んだんはホンダの車で、日本車がこれほどまでに生活に浸透しているのかと別の感慨を覚えた。2013/07/03
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