出版社内容情報
オリンピックに沸く2020年夏の東京。
「目に見えざるもの」の怒りを背負った者たちが立ち上がる――ノンストップ近未来長編!
「20世紀最大の呪いは、原子力の発見とその実用化だった。
小林エリカは核に取り憑かれた作家だ、いや、核に取り憑いた巫女だ。
その予言は私たちを震え上がらせる」
――上野千鶴子氏(社会学者)
【著者略歴】
1978年東京生まれ。作家・マンガ家。2014年『マダム・キュリーと朝食を』で、第27回三島由紀夫賞・第151回芥川龍之介賞にノミネート。その他の著書に『親愛なるキティーたちへ』、『彼女は鏡の中を覗きこむ』、『光の子ども』(第1巻~第3巻)など。
内容説明
オリンピックに沸く夏、「見えざるもの」の怒りを背負った者たちが立ち上がる。ノンストップ近未来長編!
著者等紹介
小林エリカ[コバヤシエリカ]
1978年東京生まれ。作家・マンガ家。2014年『マダム・キュリーと朝食を』で、第27回三島由紀夫賞・第151回芥川龍之介賞にノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あじ
38
見えない匂わない、放射能。その瘴気を「不幸の石」で具現化した小説。“パートカラー”の経血に、昇華点を仰ぐ筆者を見た気がする。◆雑誌【&Premium】で「文房具トラベラー」というコラムを担当しているエリカさん。小説家・漫画家としては“放射能”一辺倒で打ち込んでいる。2019/11/09
horihori【レビューがたまって追っつかない】
23
オリンピックに沸く2020年夏の東京を舞台に、オリンピック。放射能。高齢化社会。の3つを絡めた話。ちょっぴり近未来風なのが、現実味を和らげているけれど、オリンピックに浮かれてる場合じゃなさそうな緊張感がある。2019/12/04
ズー
15
2020東京オリンピックが開催される、デストピア的世界。色んなことが出てきて、支離滅裂感があり、どう話がつながっていくのかと思いつつ、先が気になってどんどん読み進む。たしかに放射能のことは特に解決していないのに、なかったことのように忘れ去られている感じは分かると思った。不思議さ不気味さ非現実的にも感じるものの、結構ほんとだったりして?そのうち石を持ち始める人が出てきたりして?2020/11/23
ruki5894
9
読み終わったところに入れていいものなのか…。とりあえず。2020/05/22
ころちくわ
8
トリニティとは?キリスト教で三位一体のこと。 1945年7月16日人類初の核実験が行われた場所の名称:アメリカニューメキシコ州。ラジウムが含まれた黒い石を持って徘徊する老人(この小説での設定) オリンピックに沸く東京を舞台に「見えざるもの」への恐怖が描かれる内容。 まさに今「見えざるもの」である新型コロナウイルスが蔓延している。この小説が書かれた時には、考えもしなかったことが起きています。 3.11の時と同じような政府の対応は、 線量が高いところは測らない➡陽性者が増えると困るから検査しない!2020/02/22