内容説明
急死した母の遺灰を抱いて、エマーソン・チャンは生れて初めて台北の街に降り立った。母の遺言に従い、家出した後ここに来たまま音信不通だった弟のリトルPを探すためだ。アメリカ生まれの彼にとって、言葉もわからず、地理にも不案内な台北は、完全な異郷だった。しかも、ようやく探し当てた弟の背後には無気味な闇が…異様なムードと迫力で迫る力作サスペンス。アメリカ探偵作家クラブ賞を射止めた注目のデビュー作。
著者等紹介
リン,フランシー[リン,フランシー][Lin,Francie]
ハーヴァード大学卒業後、The Threepenny Reviewの編集者をつとめる。2008年発表の『台北の夜』でアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)の最優秀新人賞を受賞した。マサチューセッツ州グリーンフィールド在住
和泉裕子[イズミユウコ]
英国国立ロンドン大学東洋アフリカ学院卒、英語・中国語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mark
2
タイトルに惹かれて読んでみた。恋愛小説でもないしハードボイルドでもないし、何なんだろう?台湾人のアイデンティティに少し触れていたのはよかったけど、主人公の台湾系アメリカ人としての描写が少ない。街の描写も陳腐。ラストまで引っ張りすぎで、ラストのちゃちな追走劇はいただけない。残念。2015/02/01
モッチ
1
★2019/06/18
げむ
1
村上春樹みたいと思ったら。やっぱり村上春樹好きな人の書いた物だった。
kama
1
★★★1/2 形としてはハードボイルドながら、ハードボイルドの主人公は説明を排除している故行動がよく解らないがこの主人公は心情を吐露していながら理解不能。人物名が英語(日本でも翻訳小説は誰が誰かごっちゃになると言う人いる様に米国人に対する配慮だと思うが)で(所々で浅く出てくる台湾の歴史と政治を除くと)街の描写なども特に中華という感じがせず読んでいて何度か舞台が台湾だということを忘れていた。全体的にチグハグで結末にも呆然。文章など力量はあるので次に期待。2015/09/06
かわのふゆき
1
アメリカと台湾を股にかけた壮大な陰謀が!と思ったら、チンピラ警官にいびられるような少人数の家族的な犯罪組織…。本筋以外の政治運動とか台湾の歴史解説にむしろスケール感あり。2011/01/27