出版社内容情報
父を亡くした娘を次々と襲う怪事件。陰ながら彼女を見守るアルセーヌ・ルパンは、見えない敵に苦戦する。封印されてきた幻のシリーズ最終作。本邦単行本初収録の短篇「壊れた橋」を特別収録する決定版
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
naoっぴ
76
ルパンシリーズ最終作の表題作の他、雑誌初掲載版の第一作と、エッセイ、単行本未収録短編が入った盛りだくさんな一冊。ルパン40歳、立派な肩書きを持つ大金持ち、世のため人のため泥棒をする人格者。スマートに悪者をこらしめて恋もして結婚。あれ、いつものピンチからの脱出と冒険はどこへ?安心安定なヒーローっぷりにやや物足りない今作。文章も単純な言い回しが多かったり読み辛かったりといつもと感じが違うと思ったら、推敲途中のまま遺作となった作品だった。第一作と読み比べると、その差もよくわかって面白い。2019/05/19
優希
65
スマートで安定したストーリー展開になっているように思いました。ルパンを頼るようにと遺書に残して自殺した父親。国際的陰謀に巻き込まれるコラ。永遠のヒーローと姿不明な相手との死闘に引き込まれました。恋愛要素もありますが、ルパンにとっては最後と決意しているようで、まだ40歳なのにと思わされました。面白かったです。2020/06/16
Tetchy
65
正真正銘のルブランの手による最後のルパン物語。なんと作者没後70年経ってからの発表だ。そんな出版をされた物語は実にロマンティック。これがルパンだよとかつてシリーズを読んで胸躍らせた読者の期待を裏切らない展開の速さとルパンの懐の大きさに満ちている。かつてのルパン譚には彼の万能性を以てしても窮地に陥る難事件が数多くあったが、それに比べれば今回の敵は彼にとっては掌上の何とやらで、実に容易い相手であったのはちょっと物足りないが、かつてのプレイボーイぶりはいずことばかりの純情なルパンに思わず微笑んでしまった。2013/06/19
千本通り
14
この作品は末尾の「訳者あとがき」を読むと、作者が1936年9月に一度は完結させているが、元々何度も推敲を加えながら作品を仕上げるタイプの作家で、実際最初に提示された四銃士のキャラが曖昧で推敲不足は否めない。しかし完結の2か月後に作者が脳血栓の発作を起こしてほとんど仕事ができない状態になってしまい、1937年初頭に震える手で加えられた推敲を最後に最終稿に至らないままの状態で留め置かれた。ルブランの息子は作品の存在を知ってはいたが公刊を望まず幻の作品であり続けたが、孫娘の代になってやっと出版の機会を得た。 2025/10/24
冬見
14
自殺したレルヌ大公は娘コラへ残した遺書に、彼女の身近に正体を隠したアルセーヌ・ルパンがいること、彼を信頼し頼りにするようにと記した。やがてコラは国際的陰謀に巻き込まれることとなる。◆「強敵との死闘」とあるけれど、終始ルパンが一枚上手で余裕の大勝利を収めている。後手後手だった『水晶の栓』とは比べものにならないくらいスイスイ。推敲途中の作品ということもあってアッサリ感はあるが、さらっと楽しむ冒険活劇としてはおもしろく、楽しく読み進めた。特別付録の「壊れた橋」が熱い。ぜひ復刊してほしい。2021/09/23
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