内容説明
平凡な毎日に飽きあきしているあなた、こんな観光ツアーに参加してみませんか?目的地は、不気味なイグアナや怪しい原住民が跋扈する、深い密林に包まれた南米バナナ共和国。ゲリラ活動とCIAの陰謀が渦巻く現地では、猛獣相手の闘いや民間スパイの暗躍、謎の美女との熱い一夜といった、凄まじい恐怖と興奮に満ちた怪奇体験が待ち受けています…MWA賞受賞の異色短篇「ヨットクラブ」の著者による、幻の傑作長篇。
著者等紹介
イーリイ,デイヴィッド[イーリイ,デイヴィッド][Ely,David]
1927年シカゴ生まれ。本名デイヴィッド・イーライ・リリエンソール・ジュニア。ノースカロライナ大学、ハーヴァード大学、オックスフォード大学に学ぶ。卒業後、新聞記者として働くかたわら小説を書き始め、「ヨットクラブ」(1968)でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞を受賞した。“奇妙な味”といわれる異色作品の名手として知られる
一ノ瀬直二[イチノセナオジ]
1923年生、1947年早稲田大学英文科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
15
米国の異色作家、デイヴィッド・イーリイの放つ奇想小説の一本が、これである。俺は2005年に一度買って読んだっきりなので、今回が2回目ということになる。しかし一応最後までは読み通したが、途中から何だか分からなくなってきたようだ。イーリイのせいなのか、俺のせいなのか、それは今回は不明だけれど、うーん。まあいいや、また10年後くらいに読み直そう。2019/08/01
影実
3
平凡な生活に飽きた人々が参加する、南米はバナナ共和国での観光旅行。イグアナに襲われたり、大使館からスパイ依頼をされたり、旅行参加者の女性と懇ろな関係になったりと非日常的で不条理な展開ばかり。どこに落ち着くのか予測ができないまま読了してしまい、解説を読んでようやく分かったような分からないような。なんとも変な話だった。2017/11/25
オフィス派の宇宙図
3
観光旅行なのだ、すべては観光旅行なのだ。一週間の旅行ではなく、何十年も続く観光旅行だ!登場人物の衝動性が強すぎるのと爆発オチなのが素晴らしい。2017/06/10
ネムル
3
南米バナナ共和国イグアナ襲撃ツアー。という不思議さへの期待を見事に下回って、だらだらと夫婦の痴話や政治的いざこざがだらだら続いて、終盤でようやくジェノサイド展開になるが、うーん別に面白くはない。もうひとつの長編代表作『蒸発』は未読だが、やはりイーリイは短編のがいいんじゃないかな。2013/07/28
schizophonic
2
「ミステリなの?SFなの?幻想小説なの?」なんて訊かないで。答えられないから。2009/05/16