出版社内容情報
商店街で暮らす1ぴきの野良猫は、八百屋や書店、パン屋などの猫が持つ「名前」に憧れている。お寺の猫に「自分で名前をつければ」と言われ、名前を探すことに。野良猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
内容説明
ぼくはねこ。なまえのないねこ。だれにもなまえをつけてもらったことがない。「いいな、ぼくもなまえほしいな」。名前を探す野良猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
著者等紹介
竹下文子[タケシタフミコ]
1957年、福岡県生まれ。東京芸術大学教育学部卒業。作品に「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)、『風町通信』『木苺通信』(ポプラ文庫ピュアフル)、「ひらけ!なんきんまめ」(小峰書店)など
町田尚子[マチダナオコ]
1968年、東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学部卒業。作品に「ネコヅメのよる」(WAVE出版)、「さくらいろのりゅう」(アリス館)、「いるのいないの」「あずきとぎ」(京極夏彦・作/岩崎書店)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
473
書店でタイトルと町田尚子の絵が気になって読みました。 可哀そうな猫が最後は幸せになる可愛らしく素敵な絵本です。 メロン🍈という名前は好いにゃあ(=^・・^=) https://www.komineshoten.co.jp/search/info.php?isbn=9784338261333 私が以前飼っていた猫の名前は、『ハロルド(愛称:ハロー)』でした。2019/06/04
馨
418
絵本。絵が好みすぎて魅了されて読みました。登場する猫や犬も可愛い。なまえのないねこの本当にほしかったものがわかって、途中のねこの横顔が可愛すぎるゆえに悲しかったけどラストシーンにじ~んときました。2019/05/18
zero1
391
名前には意味と物語がある(後述)。普段、気にしていないことをこの絵本は教えてくれる。主人公は表紙に描かれたノラ猫。名前は無い。いろんな猫が登場し、それぞれの名前を紹介。中には複数の名を持つ猫も。人に嫌われる主人公のトラ猫。目がきれいなこの猫は気が付く。自分が本当に欲しかったものを。絵がとてもしっかり描かれていて無駄な言葉が少ない。だから作者のメッセージが深く読者に伝わる秀作。私はノラ猫を見るたび、この作品を思い出すだろう。2020/03/16
やすらぎ
327
こねこ。ただのこねこ。わたしはいつもひとりだから。みんなは誰かと一緒だけど、わたしは。鈴が欲しいけど首輪もついていないし、居場所だって決まっていない。なかなかやまないな、あめ。雨音ってこんなに響いたんだ。こんなに冷たかったんだ。今日もなきながら歩いてる。だって野良だから。一段と寒い夜、空を舞う粉雪。冬が終わればきっと。冷え切った身体を温めるのは意外と大変。ただ温めるだけだと温まらないから。切なさが悲しさになってしまったら、春を待つことができないから。別に名前なんていらないけど、ここにいることを忘れないで。2023/01/09
seacalf
283
同じく待ち合わせの本屋さんにて。ラストにグッときてしまった。靴屋のレオ、本屋のげんた、八百屋のちび、お蕎麦屋のつきみにパン屋のハイジとクララ、寺猫のじゅげむ、どの猫さんもそれぞれ特徴を上手くとらえていて可愛い。さてさて、主役の名前のない猫はというと、いかにも頼りなさそうな雰囲気。一見特徴もないし思わず同情を覚えてしまうが、小さな女の子が向けた眼差しとたった一言が印象をガラリと変えてしまう。温かい気持ちになると同時に、一辺倒になりがちな心を緩やかに伸ばしてくれる素敵な結末。2021/02/20