内容説明
殺された老婆の額には鉤十字が刻まれていた―パリの女性探偵エメは、依頼された暗号の解析結果を届けるべく、ユダヤ人街を訪れた。が、彼女を待っていたのは無残な死体。犯人を追ってネオナチ組織に潜入したエメは、戦時中に同所で似た手口の殺人事件があったことを知る。くしくもパリには当時の事件関係者が集結しつつあった。歴史的悲劇が生み出す重層的なプロットと深みのある人物造形が融合した大型新人による本格小説。
著者等紹介
ブラック,カーラ[ブラック,カーラ][Black,Cara]
シカゴ生まれ。上智大学に留学し、中国史を学ぶ。帰国後、サンフランシスコ州立大学で教育学の修士号取得。TVの脚本家をする傍ら、1998年に発表したパリの女性探偵エメ・ルデュックが活躍する『パリ、殺人区』は、2000年のアンソニー賞、マカヴィティ賞の最優秀新人賞候補になった。P・D・ジェイムズに影響を受けたという重層的なプロットと文学的厚みのある人物描写、PCを駆使してパリの街を駆ける新鮮な女性探偵の姿は、書評子の絶賛を受けた。2000年にエメ・シリーズ第2弾Murder in Bellevilleを刊行。現在はエメの第3作目を執筆中。日本人の夫と息子と共にサンフランシスコ在住
奥村章子[オクムラアキコ]
青山学院大学文学部英米文学科卒。英米文学翻訳家
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