内容説明
愛する女性ホリーを追うデュラニーは、偽名を使ってラジオ局で脚本家の仕事に就いた。ラジオに魅せられた彼は才能を開花させ、次次にヒット作を書く。が、執拗な脅迫電話や謎の連続殺人が彼を脅かし、彼女との距離を遠ざけていた。敵の正体を見極めるため、デュラニーは捨て身の罠を仕掛けるが…黄金期のラジオ局を舞台に殺人事件と大戦の暗雲が絡み合い衝撃の真相があらわれる。完成に6年の歳月を費やしたミステリ大作。
著者等紹介
三川基好[ミカワキヨシ]
1950年生、早稲田大学大学院修士課程修了、早稲田大学文学部助教授、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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ハレ
6
ミステリー部分は偶然過ぎたり、唐突だったり、犯人判明もそれまでにそれらしい気配もなかったから、う~ん?という感じなのだ。上巻で見失った箇所を読み返してもたぶん同じ感想だったと思う。だからと言って面白くなかったわけでもない。雇われたラジオ局でシナリオを書き才能を発揮し出す主人公。次々と湧き上がってくる発想の描写にはワクワクしたし、最終章で犯人と戦う場面では興奮もした。作者の力量は間違いない。だけどなんか残念。長かったし。2023/11/05
nori
5
複雑に入り組んだ殺人事件と戦争との絡み。戦争がこの世から無くならない理由が見えて愕然。覇権で始まった戦争は怨みと裏切りと報復の連鎖。戦時の世の中は愛国を強制し、監視社会になるのだ。世界大戦時に日本人強制収容所があり、日系の人々が辛い思いをさせられたのは知っていたが。当然の事乍ら、ドイツ系やイタリア系の人々もスパイや裏切りで怯えていたのだ。そして怨みと復讐心が残る。更にアメリカの人々は強い自国を望む。今又世界に紛争と戦争が起きている…。怨みの種を植えないで欲しい。ミステリ部分のレビューを書く余地が無くなった2023/11/24
セルジ・オメン
2
当時のラジオ界の独特な雰囲気がよく出てると思う。
frog
1
犯人探しミステリとラジオ番組制作の醍醐味を合体させた長編。ミステリはナチのスパイが絡むスケールの大きな展開になるが、何といってもラジオ番組制作の記述の勢いが凄い。発想~執筆~人選~制作の各過程が詳述されていて興味深い。2010/05/26
ymg
1
大きなドンデンはないけど・・・。おも~い作品。2009/12/07