ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 殺す人形

ハヤカワ・ミステリ文庫
殺す人形

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151700026
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

家族の絆に亀裂を入れたあの女が憎い…顔に醜いあざがあるためドリーは人づきあいを嫌い、母亡き後、父と弟の世話に喜びを見出してきた。が、父親が再婚し、すべてが変わってしまった。継母に罰を与えるため、彼女は弟と共に魔術で呪いをかける。直後、継母に恐ろしい災難がふりかかるが、やがてドリーにも無慈悲な運命の刃が。英国推理作家協会賞に五度輝く著者が、異常心理を極限まで追究した傑作サイコ・スリラー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

54
異常心理サスペンスです。顔に極度のコンプレックスを持つ姉と、幼い頃魔術士を目指していた美しい弟。母親が亡き後の、父親の再婚を契機に、姉の精神は乱れていきます。オカルトとアルコールに依存し続ける一方、弟は女性に目覚め脱オカルト。弟の戯れの呪いが継母の死と重なり、姉は益々、オカルトにのめり込んでいきます。孤独な女性の壊れていく様は、引きずり込まれそうな迫力です。挿入される殺人鬼の独白が、不幸な結末を予見せざるを得ません。幻聴に苛まれ、初めての友のために姉がとった行動は…。ねじれにねじれ、衝撃的に幕を閉じます。2022/12/14

くさてる

19
ルース・レンデルらしく、好感の持てる登場人物がほぼ存在しない、追い詰められた人間の悲鳴が織りなすい異常心理もの。だけど、その中に見え隠れする生の人間の匂いのようなもの、それが哀しく思えて、ここにある圧倒的な孤独と憧れに切なささえ感じた。いまの時代には成立しないお話だと思うけれど、登場人物の孤独だけは変わらず現代にも存在するものではなかろうか……。そんな、圧倒的な迫力があります。2020/07/04

小太郎

16
発掘本。レンデル得意の異常心理ミステリ。顔にあざのあるドリーは父親の再婚で全ての環境が変わってしまいます。だんだんと常軌を逸して狂気に向かっていく過程がリアルで怖い!ガジェットとしての魔術、降霊術、などのオカルト素材も効いています。2018/11/19

ほちょこ

16
だんだん思考回路がおかしくなっていく2人の姿が交錯していくので、あぁ、だれか止めてやれ〜!と叫びたくなった。2016/04/15

bapaksejahtera

14
魔術に心を寄せる少年には、頬に大きな痣を持つ姉がいる。父親は事務機器を扱う業者だが、日頃読書に傾注し病の淵にある妻に冷たい。少年の保護者を認ずる姉は、弟の魔術師振りに畏敬の念を持つ。その念は偶然に起きた身近な人間の死を弟の神技と誤解した事を契機に、信仰に迄高まる。他方少年の方は成長と共に女性との交際が繁くなり、姉を煙たく感じていく。結果として姉は精神の均衡を失う。これと別に精神を病み殺人を起こした青年が登場し、姉弟のストーリーに交代して描かれる。この二組はラストに向かい読者誰しも予想する通りの結末に向かう2025/04/07

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