ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 身代りの樹

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ハヤカワ・ミステリ文庫
身代りの樹

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  • サイズ 文庫判/ページ数 398p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151700019
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

女性作家ベネットが愛児を急病で失い、ショックで倒れてから何日過ぎただろう。葬儀の手配などに煩わされずにすんだのは、母モプサがいてくれたおかげだった。だが、心を病むモプサは、ベネットのために他人の子ジェイを誘拐してしまった。罪悪感のかけらもない母への憤り、虐待されてきたらしいジェイへの愛…心の揺れるベネットが選んだ道は…。英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞に輝く、傑作心理サスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

36
闇を抱えた登場人物たちがおりなす群像劇です。主たる登場は、幼い息子を亡くしたシングルマザーでベストセラー作家のベネット、寡婦のウェイトレスの愛人バリー、金持ちにたかるヒモ男のテレンス。この面識すらない三人の別々の物語が、一つの結末に収斂していくという、著者の技が堪能できます。三人が最後までお互いを知らないというのがすごいですね。登場人物それぞれが、すれ違いを演じながら、思いもよらぬ運命に導かれていく様が堪能できます。登場人物それぞれに用意されたオチには、あっと驚くこと間違いないでしょう。【CWA賞】2024/12/01

bapaksejahtera

11
①女流作家に精神を病み目の離せぬ実母が訪れる②子持ち乍ら性的魅力に富む女とそれに隷従同居する若い男③その女に唆され初老の未亡人を騙し生活する男。三組が入れ替わりに登場。①の作家2歳の息子は実母が訪問時に急死。②の女は子を虐待する癖があり、①の作家実母は我が娘に代替を与えんと隙を見て②の女の幼児を誘拐し連れて来る。失踪幼児は②の同居男が密殺したと疑いが掛る。他方幼児を当初拒否した作家も次第に情が移る。ありそうな多くの行き違い後、悪漢はお縄につかず天網恢恢疎にして漏らさぬ巡り合せ。まあカタルシスが得られ善哉か2025/04/11

Tetchy

5
これはもはやミステリではなく普通小説だろう。しかし構成は巧みである。狂える母、モブサを設定した所でこの小説は勝ったも同然である。この母の存在があったからこそ、到底起こりえない出来事がごく自然に流れとして滑り込んでくる。そこから揺れ動く人々の心模様。そしてテレンス・ウォンドという小技が実に最後の最後で、絶妙な形で効いてくる。珍しく実に爽やかな読後感だった。2009/03/25

ホレイシア

4
満足♪

おくちゃん

3
淡々とよみました。最後も淡々とした結末。母モプサが後半から出てこないので、仕方ないか?2018/12/23

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