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ハヤカワ演劇文庫
ハロルド・ピンター〈2〉景気づけに一杯/山の言葉ほか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784151400247
  • NDC分類 932
  • Cコード C0197

内容説明

そわそわと何度もウィスキーを啜りつつ、監禁中の反体制者を饒舌にいたぶる拷問者ニコラス。彼は何に怯えているのか…『景気づけに一杯』。二人の高級官僚が核戦争の死者数を楽しげに予想する『丁度それだけ』。少数民族にたいする言語弾圧を鋭く突く『山の言葉』他。類稀なる詩人の感性で全体主義体制の暴力を告発し続けた、闘うノーベル賞劇作家ハロルド・ピンター。政治劇を中心とする渾身の八篇を収録。

著者等紹介

ピンター,ハロルド[ピンター,ハロルド][Pinter,Harold]
1930年、ロンドン生まれ。俳優としてキャリアをスタートし、57年、処女戯曲『部屋』で劇作家に転身。同年に『誕生日のパーティ』『料理昇降機』を発表後、『管理人』(59)で注目を集め、その後『帰郷』(64)などの作品で地位を確立。追いつめられた人間をめぐる不条理を、恐怖とユーモアのうちに描く独特の作風は、その名を冠して“ピンタレスク”と呼ばれる。初期の心理的リアリズムを指向する作風から、『風景』(67)などの詩的な作品を経て、とりわけ『景気づけに一杯』(84)以降は政治色の強い作品を次々と発表

喜志哲雄[キシテツオ]
1935年生、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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syaori

62
主に「政治的」と言われる戯曲を収めた巻。表題作の『景気づけに一杯』と『山の言葉』が強い印象を残します。前者はトルコ政府の反体制的な人物への拷問、後者は同国のクルド人政策が執筆の契機となったそうですが、どちらも体制側の抑圧者と被抑圧者の姿が一般化され時代性を削がれ、その恐怖と滑稽味が剥き出しにされて提示されていて、ある種の寓話よう。この劇から感じるのは、抑圧はどの時代、どの政治体制、どの人間にも起こり得るのだという親近性と日常性で、それに喚起される不安感は現代では一層強くなっているのではないかと思いました。2022/05/30

Vakira

27
コボさん(安部公房)の物語の表現思想。文章と演劇の違いはデジタルとアナログであると説く。文章ではその情景まで説明表現されるのでデジタル表現であると。演劇の場合はある時間と空間のワンシーン。視覚でとらえ、感じるのは観客だ。間でさえ物語の演出となる。よってアナログ表現であると。さてこの脚本集 コボさんの「都市への回路」の中で紹介。イギリスの劇作家。知らない作家だったのでどんな作品なのか読んでみる。ほんの寸劇。コボさんが言うように只の「間」が時に文字で表現するより雄弁だったりする。意外や寸劇いけるじゃん。 2019/06/20

sk

3
政治を題材とした寓話的なものが面白い。2019/06/15

nightowl

1
ぽつぽつ読んでいたものを漸く読了。世界情勢を思わせる研ぎ澄まされた戯曲が収録作では力強い。含んだ怖さがある。弾圧的国家の取調室。飲まなきゃやってられない本心?「景気づけに一杯」拘束される原住民「山の言葉」2020年2月24日に観劇。どう見ても病禍下の話+ラストは隔離された側の語りにしか思えなかった(まさか某夫人が似たようなことをやるとは...)「パーティの時間」などが衝撃。個人間コミュニケーションの断絶から、こうした方向へ作風が発展するとは...基礎は同じなのに恐ろしき才能の開花。2021/11/20

はと

0
表題作がどちらも切ない。演者・演出によって含みを持たせられそうな簡潔な台詞が多く、実際に演じているところを見たら全く違った印象になりそうだと思いつつ読んだ。短い作品が沢山で読みやすい一方、幾分物足りない感じもあった。2014/06/12

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