内容説明
攘夷御用盗・魁銀次郎は、縁あって相楽総三と行動をともにする。草莽の志士、相楽は密かに薩摩藩と通じ、江戸上屋敷で浪士隊を募る。西郷隆盛の意を受け、江戸の撹乱を企図したのだ。江戸城二の丸放火、薩摩藩邸焼き打ち、そして戊辰の戦へと続く幕末の大きなうねりの中で、銀次郎の非情剣が歴史に拮抗し閃光を放つ。長篇時代小説。
著者等紹介
東郷隆[トウゴウリュウ]
1951年、神奈川県生まれ。國学院大學経済学部卒。1993年、『大砲松』(講談社)で第15回吉川英治文学新人賞を受賞。2004年、『狙うて候―銃豪村田経芳の生涯』(実業之日本社)で第23回新田次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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誰かのプリン
19
西郷に良いように使われ最後は偽官軍の汚名を着せられ、非業の死をとげた赤報隊。幕府側から見れば、江戸を恐怖に陥れた悪魔でありいいきみだと思うねですが、何やら哀れみを抱いてしまうのは私だけでしょうか?2018/08/06
mitsuru1
3
幕末維新動乱の時代に、使い捨てにされた赤報隊の悲劇を描き興味深く面白い。2010/03/15
好奇心
1
謎の多い、赤報隊、西郷によってつくられた霍乱隊だったのに役目が完了したあと、偽官軍の汚名着せられて処刑されてしました、お公家さんたちはおとがめなし、同じような出来事が各地にあったのでは、西郷の敬天愛人は何だったのか彼は革命家?後に偽官軍の汚名は回復され、贈位があったのが攻めての慰めか?奥さんの死は何だったのか、この人たちの犠牲の上で成り立った維新だったのか?ご冥福を祈る、一度相良の墓を参拝したことがある2018/11/22
詠月
1
狡兎死して走狗烹らる、赤報隊は維新の陰です。美化された御維新は実際のところ歪みだらけ。おさめた勝海舟はやっぱり偉い人だと思いました。あの時代は些細な判断ミスが命取り。私は生き残れる自信がないわ('';)2013/03/26
かずさん
1
赤報隊がらみの本は少ないので、大変面白く読んだ。2012/03/17