出版社内容情報
インド、イタリア、カナダで過酷な運命を懸命に生きる3人の女性。彼女たちが闘いを選ぶとき、つながるはずのない物語が交差する
内容説明
国も境遇も違う三人の女性。唯一重なるのは、自分の意志を貫く勇気。インド、不可触民のスミタは娘に教育を受けさせようとするが、願いは潰される。イタリア、ジュリアは、家族経営の会社を倒産から救うため、金持ちとの望まぬ結婚を母に懇願される。カナダ、弁護士のサラは女性初のトップの座を目前に、癌の告知を受ける。三人が運命と闘うことを選んだとき、髪をたどってつながるはずのない物語が交差する。
著者等紹介
コロンバニ,レティシア[コロンバニ,レティシア] [Colombani,Laetitia]
フランス・ボルドー生まれ。小説家、映画監督、俳優。2017年に発表したデビュー小説である本書『三つ編み』は、困難・差別に立ち向かう3カ国の女性の連帯を描き、フランスで200万部を超えるベストセラーとなった。また、著者自身の脚本・監督で映画化され、2023年にフランスで公開された
齋藤可津子[サイトウカツコ]
翻訳家。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばう
65
★5また一つ素晴らしい物語に出会えた。娘の為に現在の境遇を抜け出そうと一歩を踏み出すインドのスミタ、倒産寸前の家業の存続のため立ち上がるイタリアのジュリア、病気を理由に仕事仲間から受ける冷遇に対抗し始めるカナダのサラ。離れた国で決して出会うことのない3人の女性の戦いの記録が綴られた物語、最後まで読むとこの3人を強固に結びつけるものが明らかになり、この物語全てが腑に落ちる。今、この瞬間も世界中で自分の人生をより良いものにする為に戦う多くの女性がいるはず。そんな全ての女性へエールを送りたくなる小説だった。2025/01/18
練りようかん
14
小泉今日子さん推薦きっかけ。三つの国で暮らす三人の女性を描く。まずインド編が衝撃で娘には自分と同じ人生は歩ませまいと強く望んだのは教育。その教育を家業のために諦めたイタリア編、教育が職業で結実したカナダ編と、この連なり方に引き込まれた。恋愛結婚と経済的自立、二人にないものを手にしたカナダ女性の人生がなぜかどんどん暗くなり、毎回ラストの一文がもう怖くて。女だから生きにくい、いや敵は思ってた相手じゃなかったというのが印象的。髪の環は読了して時間が経つほど感動が大きく、時間差の涙が胸につかえた。力を感じた作品。2024/12/25
地球の子
5
【★4】 3人の女性の物語。みんな強くてかっこよかった。フランス人の作家だそう。他の作品も読みたい。2025/05/29
ひっさん
5
「これは私の物語。なのに、私のものではない。」読後もこの言葉が私の心を震わせている。この言葉に込められた意味が深すぎて他に表現ができない。人間愛の物語。彼女達が見たもの、感じたものは奇跡でなく、これまで人類が歩んできた軌跡だと思う。私が感じたことは、場所や環境は違えど私たちは生きていること。独りじゃなく、確かに共鳴している。ただ生きている。その言葉がどんな励ましよりも、私の背中を押してくれる。2025/04/11
miyahara7
4
スゴ本でした。三つのお話がどうつながっていくんだろうとぐいぐい読む。これは読むべき。 いやですと言ったラリータえらい。一緒に泣くスミタに涙。内面までは決して傷つけられない。怒り,悲しみ,そして誇り。 そういえばハヤカワepiってスゴ本率が高いような。2025/03/25