内容説明
アニーは胸の高鳴りを抑えられなかった。自分の企画した〈クリスティー記念祭〉が、ついに開幕するのだ。人気のミステリ作家も参加してくれるし、催し物も盛りだくさん。誰もが楽しんでくれるにちがいない。が、その記念祭に本格ミステリ嫌いの冷酷な評論家が闖入してきて、おまけに連続殺人が…。ミステリの女王に捧げられた、とびっきりの本格ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
86
アニーシリーズ第7弾。本作はミステリマニアの為の、特にアガサ・クリスティが好きな読者には堪らない、クリスティ作品のフレーズでいっぱいの物語。アニーが主催するクリスティ記念祭が行われ、多くのミステリ仲間で盛り上がる中、嫌われ者の批評家が参加した事から彼を狙った殺人未遂が連続し、ついには殺人事件まで発生してしまう。しかも殺されたのは、悪行の数々を重ねて来た憎むべき批評家本人ではなかったのだ。本筋の意外な犯人は、適切かつ優しさのある伏線から推理出来るのが良い。それよりも物語の終え方が、何時も通り温かく嬉しい。2019/01/05
hal
8
アガサ・クリスティの作品のトリビアが一杯のクリスティ愛に溢れた作品。悪役が本当に読んでいてストレスが溜まる人で、しかもなかなか死なない。クリスティだったら、一見悪い人だけど実は…とか、良い人に見えて実は…とか、悪い人だけど魅力に溢れてるとか描くだろうなと思いつつ、クリスティの偉大さを思い知りました。2019/08/02
AMBER
5
ほんと「クリスティー好きのためのクリスティー満載の殺人事件」です。アニーが企画した記念祭に、嫌われものの評論家が出席する所からはじまりますが、なかなか面白い!だけどながぁ~い。ちょっとごちゃってしてるところあったけど、アガサファンなら満足度高いかなぁ。事件の真相に行き着くまでまだかまだかな状態だったけど、終わりに近づくにつれて納得の大満足です。陰険な奴に振り回された被害者がかなしくてかわいそーに。蛇がまたイイ仕事して、さいごはスカッと!2015/07/11
barcarola
2
「ミステリ講座の殺人」にも言えることなのだが、ストーリーよりもクリスティーやミステリに関する小ネタを拾うことを意識してしまうのが難点。まぁ、それが楽しいとも言えるし、「ミステリ講座〜」より本作のほうが良くできているとも思う。せっかくだから、各章の扉が「宝探し」のポスターになっていればもっと良かった。2016/09/25
妖湖
0
ミステリ好き(特にクリスティ)のための作品。2013/05/06