ハヤカワ・ミステリ文庫<br> フラッド

ハヤカワ・ミステリ文庫
フラッド

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  • サイズ 文庫判/ページ数 579p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150796013
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

一週間千ドルで、コブラという男を捜してほしい―フラッドと名乗る小娘の依頼は、バークにはうまい話に思われた。だが彼女は、幼児虐待殺人鬼コブラに復讐を誓う女性武術家だった…前科27犯のアウトロー探偵バークが、聾唖の武術の達人、黒人の預言者、マッドサイエンティスト、魅惑的な男娼らをひきつれ、NYの暗黒街で最低のうじ虫を追いつめる。ポスト・ネオ・ハードボイルドの旗手ヴァクス、衝撃のデビュー作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

84
【アウトロー探偵バーク】シリーズ第1弾。60年代で形作ったハードボイルドの、80年代での後継者と言われる作家の1人。特徴は幼児虐待犯罪に特化している事で、毎回ヒロインの名前がタイトルになる。バークは表向きは探偵であるが、個性豊かな他業種の仲間と共に、幼児虐待の屑を闇に葬るニューヨーク版必殺シリーズ。必殺と違い普通の生活をしている者たちが、やむにやまれず陰で仕事をする訳ではない。これがアメリカ的なのか非合法に生きている者たちが、幼児虐待の犯罪者を始末するのは正義なのだとなる。お面白いが、ハッキリ言って長い。2020/08/08

眠る山猫屋

63
前科27犯のアウトロー探偵バークがニューヨークの夜を往く。再読。バークの本分はサヴァイバー。生き延びる達人だ。アジトの防犯なんてほぼ偏執狂。突き抜けた才能を煌めかせる仲間たちに比べて、何が出来るのかというと、とにかく生き延びる努力を怠らない男なんだな。生き辛そう。そんなバークに依頼するのは謎のニンジャガール・フラッド。追うのは変態幼女殺人者。悲しい復讐の結末は・・・。探偵というより犯罪コーディネーター風情なバークの過去には何があったのだろう。アンドリュー・ヴァクス追悼につき、シリーズ読み進めます。2022/03/14

ずっきん

53
悪党探偵バークと愉快な仲間達。チャイニーズレストラン性交園w、聾唖の武道家、美しき男娼にドロップアウトした天才科学者。特に巨乳ぽっちゃりの凄腕日本武道家であるヒロインフラッドと、振り回される掃き溜めの生え抜きバークの魅力がもう満載。映画みたいなワクワク設定と展開は、なんとしてでもチャイルドマレスターの酷さを世に多く知らしめたいという、ノンフィクションで惨敗した著者の積年の思いの集結だという。うん、文句なしに面白かった!追いかけます♪なんとなく既読感があるなあと思ってたら「サクリファイス」だけ読んでた模様。2018/06/14

くたくた

50
シリーズ1冊目は、主人公バークや彼の仲間の微に入り細を穿つ描写が結構なボリューム、ニューヨーク最底辺の特異な連中が自分の生きる隙間を守る為に蠢いている様が、時にリアルに時にはファンタジーのように語られる。書き込みが過ぎてかえってリアリティーが薄れているきらいもあるが、これだけ徹底してディティールを書き込まなくては「フィクション」にできなかったのだろう、と思う。ヴァクスは児童虐待専門の法律家で、その実態を世間に知らしめるためにフィクションの体裁で書いた、ということで現実はもっと凄惨なのは間違いない。2018/08/12

GaGa

39
あはははは、ある意味ひどいが言い換えれば熱い。まともなミステリーと思って読まなければそれなりには楽しめる(逆にそういうものだと思って読めばさらに楽しめるかも)トータルで考えるとアホらしいという言葉が一番似合う怪作。コミックを文章で読むと言う感覚だと案外いい感じかも。2012/11/02

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