内容説明
新聞記者のクィラランは、女性資産家の招待で、初めてピカックスを訪れた。が、一見平和な田舎町は、謎の悪臭や深夜の悲鳴など怪しげな気配に満ちていた。不審感を募らせるクィラランを尻目に、この地にいち早く順応したシャム猫ココは、カセットデッキのボタンを押して、しきりにブラームスをかけている。ある日、そのテープから犯罪を匂わせる会話が流れてきて…ファン待望、シリーズ初期の未訳作品が、ついに登場。
著者等紹介
羽田詩津子[ハタシズコ]
お茶の水女子大学英文科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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ガーコ
12
2週間ほどの休暇で都会を離れた主人公。もちろんココとヤムヤムも一緒に大移動。簡潔でさっぱりした訳が心地よいです。今回もココは賢くて、事件のヒントを次々と教えてくれて面白かった。クィラランのヒゲもいい感度で震えます。知り合いの伯母さんに気に入られて大金持ちになる重要な回。もうちょい若い娘が好みだと気づいて、食事に厳しい彼女としっくりこないご様子。イメージではゴシップガールのダンのパパ、「ルーファス」さんにヒゲを生やした感じで読んでるんだけど、もっとワイルドかもね。2013/11/08
barcarola
7
再読。シリーズ中でも重要な位置にある一冊なのだが、翻訳は後回し(?)になっていたという……どんな事情があったのやら。2022/07/16
Hugo Grove
5
ああ、なるほど、そういういきさつでああなったんだあ、とよく分かる一冊でした。このシリーズを読みすすめる上で、避けては通れない重要な一冊です。2013/03/22
康芳英
3
「シャム猫ココシリーズ」五作目(邦訳としては一九作目)。シリーズが復活してから初の新作(四作目である『猫は殺しをかぎつける』は出版社の事情でお蔵入りして二〇年近く後に出版された)でアメリカの都会からカナダ国境近くの田舎町へと舞台を移していてシリーズのリランチ的意味合いが強い作品。ある意味前四作品の総括的な作品でもあるのでこれ順番通りに翻訳していった方が良かったんじゃないかしらん。2014/01/08
barcarola
2
「〜殺しをかぎつける」に続いて読んでみた本作。田舎町の雰囲気が妙に楽しかったので、このシリーズは読んでいくことに決定。問題は、どういう順番で読めば良いのかわからないことである。2016/10/01