内容説明
どういうことなの、これは?わたしは思わず声に出した。銀行口座にまるで覚えのない金が振り込まれていたのだ。保険会社からの依頼で、ある会社の倉庫火災の保険金請求について調査を始めた矢先のことだった。その調査中に渡された封筒にまで、今はこれで満足してほしいとの意味ありげなメッセージが書きまこれていた。―誰かが、このわたしに保険金詐欺の濡れ衣を着せようとしている。身の潔白を証明するため、わたしは会社の経営者一族の中に調査の手をのばしてゆく…。暑く孤独な二週間に起ったキンジーの危機を異色な展開で描く第五作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
92
キンジーシリーズ第5弾。今回はハードボイルドらしく?、時限爆弾で吹っ飛ばされ大ケガを負ってしまう。更にはラストで、犯人との命を賭けた銃撃戦となる等、地味に推理を楽しんだシリーズとは大違いで驚いた。常連のキャストが旅行等で居ない為、ふと1人の身を振り返るキンジーが見処。彼女の隠された過去が少し明らかになり、別れた美男子だが最低の夫も登場する、シリーズだからこそ書きましたという作品だろう。謎解きとしては毎度丁度良いミステリ、それより素直に肩肘を張らず当たり前に生きているキンジーに、魅力を感じずにはいられない。2019/06/01
bapaksejahtera
16
事務所を間借りする保険会社に対し、同社が支払い請求を受けた倉庫火災について報告を作成する最中、主人公女探偵キンジーは保険金詐欺共謀の疑いを得てしまう。折から年末年始の休暇の中、独り身の彼女が普段精神的に頼っていた家主の老人や行きつけの食堂の女主人は共に休暇を取ってしまった。彼女は一人で自らの窮地を救う調査に挺身する。そのうち出来する派手な爆殺事件。一連の事件には、保険会社が付保した会社の所有者である兄弟姉妹が大いに絡んでいた。主人公が久々に発砲するハードな一面のある作品だったが、全般に「引き」は弱かった。2023/07/02
うめ
3
キンジーシリーズ5作目。今回はキンジーが見に覚えのない保険金詐欺事件に巻き込まれてしまう。依頼を受けてではなく、自分のために無実の証拠を調査する。嫌な女とダメ男だらけの中でキンジーは爽やかだ。今回は探偵らしい活躍だったが、さすが不死身だなぁ。2020/12/20
b-tamn
3
再再読: ヘンリーは帰郷し、なぜかロージーも店を閉めている。ジョナは不仲なはずの家族と旅行。世界中で独りぼっちのような気持ちになっているキンジーに振りかかる災難。そのせいか、カクテルドレスを着てパーティに行くことにちょっとワクワクしたり、”きっかり6分間”大泣きしたり、いつにない姿が描かれる。いつにない、といえば厳しいドーラン警部も今回はちょっと優しい。特にラストのアドバイスにキンジーも少しは報われたかも。2016/09/15
じょじょ
2
やっぱり好き。チャーリーズエンジェル好きだった人なら好きだと思う。私の中でキンジーのイメージはファラ・フォーセット。2018/05/20