内容説明
幻のリレー・ミステリ! 巨匠の華麗なる競演―「殺意の海辺」と「弔花はご辞退」の2大秀作を一挙収録! 黄金時代にはさかんに試みられた連作形式のミステリも、本格物の衰退と共に忘れ去られた形となり、埋もれてしまった作品も数多い。しかし近年になって発掘、再刊が相次ぎ、我国でも『漂う提督』『警察官に聞け』『大統領のミステリ』などが訳出され、本格マニアを狂喜させた。本書の2作品もマニアなら見逃せない珍品中の珍品。本格ファンを自認する読者必読!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
timeturner
5
カー他5人の表題作と、ドロシー・L・セイヤーズ他4人の女性作家の「弔花はご辞退」、2つのリレー中編を収録。前者はドラマチックに始まるもののハチャメチャで、後者は「家政婦が見た!」形式で面白くなりそうだったのにラストが腰砕けでがっかりした。2022/12/08
ホームズ
5
『殺意の海辺』ディクスン・カーなどによる連作ミステリ。マイケル・クローニンやエリザベス・フェラーズは知ってるけど後は知らない。突然見知らぬ女性から助けを求められる主人公って展開からミステリって言うよりサスペンスなのかな(笑) 『弔花はご辞退』ドロシー・L・セイヤーズなどによる連作ミステリ。こちらの方がミステリとして面白かった(笑)家政婦として雇われたマートン婦人の推理。毒殺犯の正体も良かった(笑) でもやっぱりこういうのより、一人でちゃんと書いてる方が面白いかな(笑)これはこれでいいけど(笑)2008/08/19
**くま**
3
マニア本だな・・・。正確にはカーの作品ではなく、リレー小説(複数の作家が順に少しづつ書いていって作品を完成させる)が二本収録されています。カーを始めとして5人で書いた表題作と、ドロシー・セイヤーズを始めとする5人で書いた「弔花はご辞退」。個性がバラバラの作家さん達で書くので、展開がまったく読めないのがリレー小説の醍醐味? 出来はあまりよくないしまとまりもないけど、イベント・お遊びと考えて楽しむべきなのでしょう。セイヤーズのほうは女性作家のみで固めているのでいかにもな感じ、「家政婦は見た」みたいな話です。2014/01/11
madhatter
3
再読。冒険物の小品としか言いようのない表題作(つか設定がアホっぽい。犯罪者一家て)より、やはり典型的なお屋敷物の「弔花はご辞退」の方が好きだ。確かにトーンが著者毎に目まぐるしく変化する様子も、リレー小説の魅力ではある。だが、女流作家括りの作品のためか、こちらは表題作よりもまとまりがある気がする。しかし、リレー小説ってどうやって順番を決めるのだろう。最後の奴が一番大変そうだ。なお、ブランドの締め方はいかにも彼女らしい。あの二転三転する感じが。2011/07/09
wm_09
3
「殺意の海辺」はカーに続く二人目からのあまりのトーンの変わり方に苦笑。「弔花はご辞退」はえらいこと地味だがまとまってはいる。やっぱりブランドの回し方は上手いなあ。解説の作者紹介を読んで、まだトビー&ジョージが訳されていないことに感慨を抱く。(稲)2011/02/12
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