出版社内容情報
ヴィクが挑むのは核開発の脅威!? シリーズ史上もっとも壮大なスケールでおくる注目作
内容説明
診療所の留守電に「殺される」という女性からの伝言。不吉な言葉を残し行方をくらました女性を捜して―友人の医師から頼みを受けた私立探偵ヴィクは、消えた女性ジュディの複雑な家庭事情を知る。彼女は家出後ろくでもない男と出逢い、薬に溺れた。ジュディにも希望の星があるはずだった。最先端企業で働く息子のマーティンだ。だが、彼も姿を消したことがわかり…家族関係の中に隠された闇にヴィクが鋭く切り込む!
著者等紹介
パレツキー,サラ[パレツキー,サラ] [Paretsky,Sara]
1947年アイオワ州生まれ、カンザス州で育つ。カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴ在住。1982年にV・I・ウォーショースキー・シリーズの第1作『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同賞のダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。2011年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のグランド・マスター賞(巨匠賞)に輝いた
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
58
もう50歳代に突入したはずだよねV.I、ますますタフでハードボイルドになってる。「正直物だが癪にさわる」彼女は行く先々で人を怒らせる。前を阻むドアは平気で得意のピッキングで開けて行くし。友からの人探しの依頼のはずが直線運動の結果、死体は見つけるわヤクの売人と銃撃戦はおっ始めるわ国家権力に追われるわテーザー銃で撃たれるわでいつものボロボロ状態。その中で浮かび上がる謎のユダヤ人女性科学者の戦時中の因果と因縁とその家族。辿りたどって解き明かされる真相は巨大権力を脅かし絶体絶命に。長いし厚いけど読み応え充分です。2015/12/17
niaruni
18
物語は堪能。このシリーズはもう読めるだけで満足。そして、主人公の魅力も物語の筋の通り方も少しも変わっていないことを確認して大満足。本筋とは関係ない部分で、国土安全保障省の横暴ぶりに唖然。そして、これはもう他国の出来事と安穏と眺めていられることではないのだ思い、愕然とする。大企業や研究者の男性優位主義の、あきれるほどのいやらしさにも、これは対岸の火事ではもうないと感じる。それにしても、それに対するヴィクの減らず口のすてきなこと。よし、それも他人事じゃないと思うことにしよう!2015/04/13
kyoko
15
ヴィクの減らず口と冒険物語が楽しみで今回もワクワクして読み進んだ。一世紀前から始まって、原子力やコンピューター開発の歴史に絡む、ホロコーストと家族の物語が縦横無尽に語られ、一度読んだだけでは、はたして何割私は理解できたのか。しかし猟奇性や刺激性ではなく、人間の生き様の深さ儚さ、そして正義と真実を語って読者をぐいぐい引っ張って行くパレツキーさんのストーリー展開に、今回もただただ夢中になった。4F(主人公、作者、訳者、読者が女性)はもう古い言い方かもしれないが、やっぱり私はこのシリーズが大好きだ。2015/01/20
Masa
11
読了。なんかすごく久々にV・Iに会った気がする。そのせいか、いや、そのせいではないと思うのだけど、とにかく面白かった。ロティが絡んでくると話に深みがあって好み。このシリーズ、後半の方が味があっていいような気がしています。ジェイクといつまでも続いてほしいけど、はてさてどうなることやら。ミスタ・コントレーラスについてはもうホント、いつまでもいまのままでいてほしい。2020/10/09
gakurin
6
100年もの間、舞台をヨーロッパからアメリカへと移しつつ、ロティ一族をも巻き込む何世代にもわたる、埋もれていた犯罪。ヴィクにその積年の謎が解明できるのか? あいかわらずの減らず口と負けん気で巨悪に挑むヴィク。面白くないわけがない! 現代アメリカ的犯罪捜査にはない奥行と歴史的情感も感じられて、ふだんのシリーズより一段と読み応えがありました。2015/03/12