出版社内容情報
私たち人間と他の動物たちとを隔てるものとはいったい何か。なぜヒトだけがそれまでの生物とは異なる特異な存在になりえたのか。アリ研究の第一人者であり、社会生物学の草分け的存在として、また「生物多様性」という言葉を生み出したことでも知られる生物学者エドワード・O・ウィルソンは、その集大成ともいうべき本書で、この人類最大の謎に迫っていく。人間を人間たらしめた決定的な要因とは果たして何だったのか。「真社会性」に注目し、専門とする生物学のみならず、考古学、歴史学、人類学、進化心理学など多分野の成果を結集させた果敢な試み。解説 巌佐 庸
【目次】
プロローグ
Ⅰ なぜ高度な社会性をもつ生命が存在するのか?
1 人間の条件
Ⅱ われわれはどこから来たのか?
2 支配に至るふたつの道
3 アプローチ
4 今に至る
5 進化の迷路を抜けて
6 創造的な力
7 同族意識はヒトの基本的な習性
8 戦争は人間が受け継いできた呪いか
9 出アフリカ
10 創造的爆発
11 文明への猛ダッシュ
Ⅲ いかにして社会性昆虫は無脊椎動物の世界を支配するに至ったのか?
12 真社会性の発明
13 社会性昆虫を進化させた発明
Ⅳ 社会進化の力
14 希少性にかんする科学的な謎
15 昆虫の利他行動と真社会性の説明
16 昆虫が大きな飛躍をなし遂げる
17 自然選択がいかにして社会性昆虫を生み出すのか
18 社会進化の力
19 真社会性の新理論の登場
Ⅴ われわれは何者か?
20 人間の本性は何か?
21 文化はどのように進化したか
22 言語の起源
23 文化の多様性の進化
24 道徳と名誉の起源
25 宗教の起源
26 創造的な芸術の起源
Ⅵ われわれはどこへ行くのか?
27 新たな啓蒙運動
謝辞/解説/参考文献/著書一覧/索引