ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 隅の老人

ハヤカワ・ミステリ文庫
隅の老人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150718510
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

30
皮肉めいた独特の語り口でスラスラ読める古典的探偵小説。隅の老人によって事件が語られ、すぐさま推理が披露されるつくりゆえの良し悪しがある。シンプルに謎解きに集中できるソリッドさは良いのだが、数があるとトリックの類似が目につくし、ポリーの存在価値が全くと言っていいほど無くキャラクターが深められない。ラストの『パーシー街の怪死』で、犯罪者を賛美していたフリが効いた隅の老人の真の姿が古典の名探偵像を裏切るサプライズとなって、インパクトを与えつつきれいに畳んでる。2022/09/13

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

23
再読本。一時期、安楽椅子探偵ものにハマっていたことがあり、その時、読んだものを古書店で購入。ロンドンのABCショップ(喫茶店)の片隅でチーズケーキとミルクを飲み食いしながら、興が乗ると紐を結んではほどき、女性記者ポリー相手に、世間を騒がす事件の推理を語る痩せこけた老人。ホームズのライバルの一人、謎多き隅の老人のミステリ短編集。2015/04/01

さくら@読メやすみやすみ

16
失礼ながら、こんなに面白いとは思いませんでした。思ったより読みやすく、面白いなぁと読み進めていったら驚愕のラストが!オルツィの作品でどれを読もうか迷いましたが、この作品を選んでよかったです。 これにて、自分で決めていた綾辻先生[十角館の殺人]登場人物の作品を読もう計画終了です! ★★★★2017/06/02

hanchyan@ふむ……いちりある

13
この有名どころ、恥ずかしながら初読でした。なによりご老人が安楽椅子探偵じゃなかったのがビックリ!「気になって二.三調べる」わ裁判の傍聴には欠かさず行くわ・・・むしろ(そんなものがあるとすればだが)「安楽椅子ワトソン」の嚆矢でした(笑)。客観的にみれば、いつ行っても必ず同じ席にいるおじいさんが隣に座ったうら若きお嬢さんに「アノ真相はこうなんじゃよ!」とからんでるイタイ光景なわけで、居合わせたら見てみぬフリ必至(笑)。初登場の「フェンチャーチ街の謎」はさすがに面白かった。2014/01/31

Brooklyn0320

8
シャーロック・ホームズの商業的成功にあやかって多くの名探偵が生み出された時代の徒花・・・古典期の作品にも関わらず、そのスタイリッシュさは今なお新鮮です。それもこれも、エキセントリックなビジュアルでコーヒーショップの隅にただずむ老人のキャラクターのせい。収録作に似たロジックが多く、謎解きも裏づけが明確でないという欠点もありますが、ラストの「パーシー街の怪死(隅の老人最後の事件)」を読んだときのちょっとしたインパクトは、昔も今も忘れ難いものがあります。個人的にはオールタイムベスト級の作品です。2013/09/10

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