感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
38
カーター・ディクスン、登録四十ニ作目。ヘンリー・メリヴェール卿の長編、ニ十作目。舞台はアメリカのニューヨーク、地下鉄で大騒ぎしたり、野球をこれでもか!って言う程楽しんだり。HMは健在です。HMの友人のアメリカ人の富豪がプールに飛び込んだまま消失。このトリック、簡単なだけに情景や人物描写に惑わされました。HMの語り口で登場人物がまざまざと浮かんできて、凄く面白く読み終えました。ワシントンDCに友人(多分大統領ですよね!)の面会に赴くとありますが、そこでの騒動(必ず起きますよね!)が読みたいです(笑)。2023/07/30
星落秋風五丈原
12
まるでパルプフィクションのような表紙だ。とてもミステリ小説のそれとは思えない。自由の女神像もうっすら見える。そう、本編の舞台はアメリカだ。メリヴェール卿、アメリカに行く!ところが前方には墓石、そしてプールからあがってきたばかりのような美女。さてさて、どんな事件が?2025/06/19
**くま**
8
キャラやストーリーが最高に面白い作品です。読みやすくて笑えてロマンティック。キャラ小説としては最強レベルで、水着姿で野球をするH・M卿(おじいちゃん)がカッコよすぎです!! ミステリは人体消失もので、現代のミステリファンなら簡単に解けてしまうかもしれません。定番トリックかなと。ただその背後の事情とか細かい部分が凝っているので楽しめます。またカーの真価は二度目に読んだときのサプライズです!! 一度読んで終わりじゃもったいない。二度目に読んで「あ~、すごいな!!」ってなります。流行りの叙述ミステリみたい。笑2014/02/03
二葉
7
何度目かの再読。相変わらず面白い。古本の値段高すぎる 2024/02/09
73番目の密室
6
知名度のあまり高くない作品なので期待せずに読み始めたのだが、なかなかどうして佳作ではないか。衆人監視下のプールでの人体消失の謎の解明、及び「何故そんな現象が演出されたのか」という動機の解明が本作のミソ。どちらも捻りが効いており(やや強引な感はあるが)、満足の出来。またカー独特のドタバタ劇も健在。我らがHM卿が地下鉄を混乱に陥れるわ、野球でホームランをかっ飛ばすわ、警察を騙くらかすわとやりたい放題。NYに来ても全く遠慮なしwでも憎めない、やっぱこの爺さん好きだわあ。卿の暴れっぷりを追うだけでも楽しい一品。2014/01/24