出版社内容情報
1995年、イタリア・ミラノで銃声が響き渡る。殺害されたのは、高級ブランドGUCCI創業者の三代目社長。捜査の過程で事件の黒幕とされたのは社長の元妻だった――。犯行の動機とは何か? 経営者を失った巨大企業グッチはどうなるのか? 華麗なるグッチ家の裏側に迫る。
内容説明
数百万ドルの遺産を得たパトリツィアは1997年、占い師ら共犯者を雇いマウリツィオを殺害した容疑で逮捕される。弁護士に「ギリシャ悲劇が子どもの読み物に思える」と言わしめた、愛と欲望に満ちたグッチ殺人事件の真実とは?そして事件後、グッチはいかにして経営を再建し、世界的ブランドへ上り詰めたのか?2021年で創業100周年を迎えた巨大企業の光と影。グッチとパトリツィアの今を伝える著者あとがきを収録。
目次
借金の山
贅沢な暮らし
天国と地獄
グッチ再生
逮捕
裁判
乗っ取り
エピローグ
著者等紹介
フォーデン,サラ・ゲイ[フォーデン,サラゲイ] [Forden,Sara Gay]
ジャーナリスト。“ウィメンズ・ウェア・デイリー(WWD)”のミラノ支局長を経て、イタリアの雑誌“ルナ”の編集長をつとめる。15年以上にわたりミラノを中心にヨーロッパのファッション業界を取材した後、現在はワシントンD.C.のブルームバーグニュースで大手IT企業の取材に携わる
実川元子[ジツカワモトコ]
翻訳家、ライター。上智大学仏語学科卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆいまある
103
グッチ家三代目が射殺された冒頭のシーンに戻る。犯人は勿論あの妻という大スキャンダル。グッチ家を離れ、デ・ソーレとトムフォード、二人のアメリカ人が最もお洒落な高級ブランドとして巨大化させた新生グッチ。そこをLVMHグループを築き上げたベルナールアルノー(別の人がこの人の本を執筆中とのこと、超楽しみ!)が買収にかかる。怖い怖い、アルノー怖い!ヴィトン対グッチの戦いが読ませる。邪魔なプラダが憎らしい。尖ったデザイナーとタフな経営者が人々の欲望を吸い上げる高級品ビジネス。振り回されてる自分がゴミのようだ。力作!!2022/12/28
k5
56
下巻めっちゃ面白かったです。問題の殺人事件の背景から、ハイブランド業界のM&A戦争まで、ハラハラドキドキの展開。久々にページをめくる手が止まらない(電子やけど)という体験ができたかも。パトリツィアのキャラクターは強烈ですが、わりと嫌いじゃないです。2024/05/06
キナコ
21
読めば読むほどマウリツィオがかわいそうになってきた。幼少期から自己主張できず、妻にはATM扱いされ、本当に好きな人が出来たかと思ったら殺されて…味方を見つけるのも、人を見極めるのも出来ない人だったのかと思うとお金があっても幸せとは言えないんだと思えた。GUCCI事態は他の経営者やデザイナーの頑張りがあって再建したんだろうが…。なんかGUCCIの印象が変わった一冊。2024/07/13
Satoshi
19
映画にもなった企業スキャンダル。三代目グッチのマウリツィオ殺害事件がセンセーショナルだが、創業一族の追い出しとマウリツィオ亡きあとのグッチ争奪戦、フォードとデ・ソーレによるブランドの維持といった企業ドキュメンタリーとしても面白い。ファッションに疎い私でも楽しめる作品だった。2022/11/05
ふわふわぷりん
12
お家騒動!引き込まれる内情!!上流階級って!!!こんなにも!!!!2023/03/11