内容説明
目前に迫ったリーマンの破綻。救済なくば、他の巨大金融機関、さらには世界経済の破綻も避けられない。だが、ポールソン財務長官はウォール街の全CEOを招集して、こう告げた。「政府は公的資金を注入しない。身内で救済案をまとめよ」ライバルを助けろという異例の命令に、CEOたちは渋々と資金供出を決めるのだが。『フィナンシャル・タイムズ』紙の年間ベスト・ビジネスブックに選出。金融ノンフィクションの傑作。
目次
第13章 誰がリーマンを救うのか?(承前)
第14章 全CEO招集
第15章 リーマンの最期
第16章 AIG倒れる
第17章 モルガン・スタンレー絶体絶命
第18章 三菱UFJからの電話
第19章 揺らぐゴールドマン・サックス
第20章 ワシントンDCへの最終招集
著者等紹介
ソーキン,アンドリュー・ロス[ソーキン,アンドリューロス] [Sorkin,Andrew Ross]
ニューヨーク・タイムズのトップ記者。金融、企業合併専門。ヒューレット・パッカードのCompaq買収や、IBMによるPC製造部門のLenovoへの売却など、次々とスクープを連発。これまでに100を超える一面記事の執筆に関わってきた
加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J
12
★★★★☆ 坂を転げ落ちるように事態は急速に悪化。更に1つの問題が他へ波及、経済システム全般の危機まで発展。どきどきの展開に引き込まれるうちに一気読み。問題、批評は多々あるものの、関係者の体力、胆力、交渉力に関心しました。こんな修羅場、私には絶対無理。当たり前か。2024/04/21
スプリント
10
何度も読み返してようやく登場人物とその所属している組織が結びつきました。客観的にみると証券や債券のやり取りは壮大な規模の博打であり、タネ銭を得るために二束三文の債権をいかにごまかすかの駆け引きが行われているのだと感じました。ウォール街でババ抜きをしていたら手札が全てババになっていたという感じでしょうか。2016/05/15
karutaroton
9
面白かった。登場人物多過ぎて覚えられないけどww 多分これまで成功を積み重ねてきた人たちが、未曾有のピンチを前に、していく決断に、惹きつけられました。戦国や幕末の時代小説にも似た感じ。 ブラックベリーがなつかしいですね、今やなんやそれ?と思う人もいるのでは? 2018/11/06
roughfractus02
4
「空売りと偽情報だ!!」というCEOたちの怒号があちこちに響く。が、うわさで買って事実で売るこの業界で真実なんて作られる情報だろうにと思う時、その陰に、これを機にビッグ・ショートを仕掛けた投機家たちの高笑いが響き、悲劇が喜劇になったのに気づく。世界中が負けたと承認させたがる悲劇の裏で、決して描かれない大勝ちした者たちは、この劇をサーカスさながらドタバタにして世界を転倒させて権威を格下げしたのだ。それを平静かつユーモラスに見据え、孫とマクドナルドにいるバフェットは、次の出し物を紹介するピエロのように見える。2017/02/21
らくだ
3
読み物としては、所々臨場感があって面白かったけど、7~8割は読んでいてしんどかった。ある程度、事の顛末を理解してないと本書は「面白く」はないのだろう。エピローグの、その後の動きのざっとしたまとめはよかった。^_^;2014/08/03