ハヤカワ文庫
マリー・アントワネット〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 454p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150503161
  • NDC分類 288.493
  • Cコード C0123

内容説明

女帝マリア・テレジアが同盟の要としてフランスへ送りこんだ花嫁は、たった十四歳の少女だった。慣習とゴシップに満ちた宮殿で大勢の姻族と召使が見守るなか、少女は何を思い、どう振る舞ったか―その激動の生涯ゆえに数々の神話にいろどられ「悲劇の王妃」とも「浪費好きな快楽主義者」とも言われる王妃マリー・アントワネット。そのどちらでもない真実の姿をあたたかい眼差しでとらえ、一人の女性として描ききった伝記。

目次

第1部 マダム・アントワーヌ(小さな皇女さま;生まれつき従順なもの;偉大さ;天使を送りこむ)
第2部 王太子妃(フランスの幸福;全世界が見ている前で;奇妙な態度;国民の愛)
第3部 王妃(まさしく女神として;不幸せな女?;あなたは私のもの;彼らの願いをかなえる)
第4部 王妃として、母として(王冠の花飾り;サン・クルーを手に入れる)

著者等紹介

フレイザー,アントニア[フレイザー,アントニア][Fraser,Antonia]
1932年、イギリス生まれ。オックスフォード大学卒。歴史文学者。1969年より歴史を題材にした作品を執筆し始め、『スコットランド女王メアリ』でジェイムズ・テイト・ブラック記念賞、『信仰とテロリズム―1605年火薬陰謀事件』でセント・ルイス・リテラリー・アワードとCWA賞ノンフィクション・ゴールドダガー賞を受賞。1999年に、英国の代表的な勲章であるCBE章(Commander of the British Empire)を受けた。夫は2005年にノーベル賞を受賞した劇作家のハロルド・ピンター氏

野中邦子[ノナカクニコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

29
「あとからの考えは歴史を歪める」とアントニア・フレイザーは書く。「この伝記を書くにあたって、私はあまり早くから陰気な墓の存在を強調しないように努めた。悲劇だけでなく、哀歌もあるべき場所にあらねばならず、革命と反革命だけではなく華や音楽にも目を向けなければいけない。少なくとも私は、マリー・アントワネットのドラマチックな物語を、できるかぎり、恐ろしいエンディングを予感させずに描きたかった」その宣言通り、フレイザーは下世話でどぎつく、ゆえにわかりやすいエピソードが持つ魅惑的な重力に抗いながら、(つづく)2020/07/27

Y田

16
「パンが無いならお菓子を食べればいい」と言ったという話はよく聞くけど実際どんな人だったのか前から関心があった。読んで感じるのは、王族に生まれた者の宿命、個人ではどうにもならない時代状況、国際情勢の影響の大きさということ。王族の「同盟関係の為の駒」という側面を強く感じた。14歳で外国に嫁いだ彼女は「人質であり大使」「複雑に入り組んだ二重の宿命」を背負っていた。この人を不幸と決めつけるのは違うし、歴史的評価を論じる知識も持たないが、王族、貴族に対する印象が少し変わった。2020/10/24

きい

6
マリー・アントワネットが実際はどんな人物だったのか、史実に基づいて詳しく書かれている。勉強嫌いだけどダンスや音楽は上手、子供と遊んだり農園暮らしの真似事をしたりするのが大好き。人懐っこい天真爛漫な少女という印象で、王妃には向いていなかったのだと思う。慈善事業にも熱心で優しい性格だったようなので、ハプスブルク家にさえ生まれなければ幸せになっていたかもしれない。首飾り事件のきっかけとなる手紙を彼女が受け取ったところで終わるので、いつか下巻も読んでみたい。2023/10/26

kei

3
上巻はベルばらで言えばMCコミックス3巻位までに当たります。 オーストリア皇女時代に多くのページを割いています。 ツヴァイクが眉唾だとして参考文献として採用しなかった、カンパン夫人の回想録を資料としてる為、ツヴァイク作の評伝には見られなかったエピソードが多数記されていて楽しめました。 軽佻浮薄な側面ばかりクローズアップされがちなアントワネットですが、ここでは優しく慈愛に満ちた母性的な人物像が浮かび上がり好感が持てます。 また、ルイ16世を含め王族は皆、高価な調度品などに国費を費やしていた、即ち、王2011/10/23

ゆずこまめ

2
政略結婚の犠牲者と言えばまぁその通りなんだけど、ハプスブルク家に生まれて政略結婚にならない訳がない。それを子供の頃から勉強もろくにせず遊んで暮らしてた本人の責任もなくはないかな。ただ悪いときに悪い国に向いてない人間が嫁がされたとは思う。小さい国だったら問題なかったのに。2022/03/17

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