感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
111
かなり難しかった! レイチェルカースンさんの本を読むのはこれで2冊目である。海の神秘性について理解することが出来た。だが、私が海の知識がなくあんまり理解することが出来ない部分があった。文章が美しいのに理解できないことは悔しい。違う本でちゃんと勉強してまたこの本を読めたら何十倍もたのしいことだろうなーと思いながら読んでいた。またチャレンジしたい!2019/07/02
翔亀
56
1950年刊行(1963年改訂)、数百万部のベストセラーだったという。海洋生物学者カーソンが、意外にも海をめぐる当時の"地球科学"の知見に基づく深い洞察を書いたと評価されたのだろう。二重の意味で面白かったのは、当時の地学は1970年代以降ことごとく書き換えられ、現在の眼から見ると完全に誤っていることがよく判ること。月の誕生、海の起源から、山のでき方や深海の実態まで、そして地球温暖化の原因も。たった50年余りでこれほど全面的に書き換えられた地学の進歩は驚くほどだ。しかし本書の価値は減じないのだ。↓2016/06/25
Gotoran
51
『センス オブ ワンダー』『沈黙の春』の著者が本業の海洋生物学をベースに海洋(物理、化学、生物、地質、歴史)学の様々な視点から綴った海の不思議な魅力(エッセイ)。大自然としての海の“センス オブ ワンダー”の魅力を科学的知見と自然への繊細な感性の絶妙なバランスで詩情豊かに表現描写して、読み手をたおやかに誘い感銘を与えてくれる。著者の眼差しが心地よい。2014/07/20
佐々陽太朗(K.Tsubota)
49
本書が上梓されたのは1963年というから、今から六十年以上前のこと。当時謎であったことも、今は解明されているようなことはあるだろう。書かれたことが間違いであったということもありそうだ。しかし、それでも本書がその輝きを失う事はない。海の妙なる神秘が詩情豊かに語られる。海の起源、深海の姿とそこにある堆積物が地球の過去について何を教えてくれるか、島の成り立ち、潮汐、海の持つ地球の温度調節機能など、読んでいてその興味は尽きることがない。まさに”sense of wonder”にあふれている。2025/02/28
アナクマ
47
これもまた、私だけが読んでいなかった有印良品。◉専門用語わりと多め(50年代の古いものとは言え)全地球史的な事実/仮説を語るにあたって、詩的な要素を削ぎ落とさなかったのは何故か。やはり彼女は、物語の力=心を動かされること、つまり感性の作用に全幅の信頼を置いていたのだ。科学の成果という論理とともに、快く心身に流れ込むストーリー、その双方が重要だということを熟知していた。だからこそ、死の間際に「センスオブワンダー」を遺した。◉その信念の成果は、本書が証明している。ご一読あれ。2020/05/24