出版社内容情報
異郷の地で暮らすアリスの前に突然現われた旧友。そして二人の女性に新たな事件が起きる。スカーレット・ヨハンソン主演映画化
クリスティン・マンガン[マンガン クリスティン]
著・文・その他
府川 由美恵[フカワ ユミエ]
翻訳
内容説明
独立を目前にしたモロッコのタンジール。夫とともにアメリカから移住していたアリスの家に、突然大学時代のルームメイトのルーシーが現われる。ある「事故」以来、離れていた二人だったが、彼女はアリスの家に滞在し、友情を復活させようとする。だがアリスは疑念にとらわれてゆく。ルーシーの真の狙いは何なのか?…異国の地を舞台に二人の女性の心理が織りなす強烈なサスペンス。
著者等紹介
マンガン,クリスティン[マンガン,クリスティン] [Mangan,Christine]
ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで18世紀のイギリスのゴシック文学を専攻して博士号を取得。また南メイン大学ではフィクション・ライティングの修士号を取得している。『タンジェリン』で作家デビュー。ブルックリン在住
府川由美恵[フカワユミエ]
1966年生、1997年明星大学通信教育部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chantal(シャンタール)
81
1956年、独立直前のモロッコのタンジール。夫と共に移住してきたアリスの元へ、大学時代のルームメイトのルーシーが訪ねて来る。アリスとルーシーとの一人称で交互に語られ物語が進むにつれ、二人の間に起こった過去の事件が徐々に明かされ、二人の関係の脆さや危うさが浮き彫りになって行く。何が真実で、二人はどうなって行くのか?タンジールの熱気を含んだ空気と二人の女性の間に流れる緊迫感に私の心拍数も上がる。映画に向いてるなあと思ったら、すでに映画化されてる模様。なかなか面白い心理サスペンスだった。2021/09/13
星落秋風五丈原
30
冒頭のヒロインが“私”としか書かれてないのが意味深。スカーレット・ヨハンソン主演で映画化。ヨハンソンはルーシーを演じるんだろうな。でもそしたら八割方先がわかっちゃうだろう。2019/11/06
ぷらった
7
アリスの人生は,大学寮のルームメイトだったルーシーの仕業でめちゃくちゃになる。同姓に向かう愛の破たん。サスペンスが展開される。なあるほど,そういうことになるか!と感心しながら読んだ。映画は期待できそう。2018/12/24
紅咲文庫
4
“「タンジールもたくさんの名前を持ってる。最初はティンギスだった」「フランス語ではタンジェ。スペイン語ではタンヘル。アラビア語ではタンジャ。わかるだろ、いろんな名前があるんだよ。もしくは肩書き。同じことだよ」” “「ここは」「地中海と大西洋が出会う場所だ」「ここも重層化されているということね」”(p146) ルーシーとアリス。可愛さ余って憎さ百倍、みたいな感じ。2019/02/04
だけど松本
3
ルーシーのバックグラウンドがわからないし、なぜそんなにアリスに固執するのかもわからない。後味も悪い。いいとこ無し。2019/03/23