出版社内容情報
ジョナサン・エイムズ[エイムズ ジョナサン]
著・文・その他
唐木田 みゆき[カラキダ ミユキ]
翻訳
内容説明
元海兵隊員のジョーは、売春を強要されている少女や女性の救出を生業とするフリーランサーだ。ある時、仲介役のマクリアリーから、誘拐された上院議員の娘を助ける仕事が回ってきた。娘が娼館に閉じ込められているという情報を得たジョーは、現場へと急行するが背後には穢らわしい陰謀が―。ホアキン・フェニックス主演、リン・ラムジー監督で映画化!カンヌ国際映画祭2冠!気鋭の作家による傑作ノワール・スリラー。
著者等紹介
エイムズ,ジョナサン[エイムズ,ジョナサン] [Ames,Jonathan]
1964年、ニューヨーク市生まれ。作家、テレビドラマ制作者
唐木田みゆき[カラキダミユキ]
上智大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
89
映画は未見。原題はYou were never really here(お前ははなっからいやしなかった)父親からの虐待、後暗い職に心が死んだようになりながらも、人と必要以上は関わらず、同じく被害者だった母親との依存によって徹底的な破滅を辛うじて逃れていた。そんなジョーは少女救出に関わったことで周囲の人間が殺されていると知っても冷静だ。ところがジョーが母親がどのように殺されたのかを確認してしまった時、始めて動揺する。箍が外れたかのように噴き出すジョーの生き残る確率もなく、残虐な復讐へのめり込む様に息を呑む2018/06/09
Vakira
36
原作小説を読んでから映画を見るパターンは結構ある。小説の自分の思い描くイメージと映画を比べてみるのが面白い。そ~来るか~とか、うんうんこの映像って納得したり。しかし逆のパターンはあまりない。映像を見てしまうと文章でストーリーを追ってもあまり面白くない。ところが映画が難解だと自分なりの解を探してみたくなり原作本を読んでみるケースはある。 この映画、自分の琴線ビンビンの映画であった。原作と映画の違いを知りたく、そしてあの興奮を再び味わいたく読む。そうか~ 再び興奮を味わいたい為に読むというパターンがあったか。2018/06/11
ヘラジカ
33
不安感を煽り立てるエッジが効いた簡潔なトレーラーに魅せられて、映画は以前から大変楽しみにしていた。少女との交流がメインで語られそうな映画版と原作は全然違うのかもしれない。ただし小品とも言えるこの小説も、凝縮された濃密な秀作であるのは間違いない。胸糞悪くなるノワールなので作者が言うように単純に娯楽小説として読むのは到底不可能だと思うのだが。パルム・ドールこそ逃したものの、カンヌで二冠という快挙(男優賞&脚本賞)を達成した映画版、絶対に見逃せない。想像だがアダプテーションとしてお手本のような作品になってそう。2018/05/21
Takashi Takeuchi
20
ジョーは誘拐され売春させれている少女の救出を生業にする元FBI捜査官かつ元海兵隊員。いつも通り手際よく仕事を完了させたと思ったら...と、よくあるストーリーだか、文庫、大きな字広めの行間で本文僅か110頁と無駄を配し濃縮された文体で一気読みのおもしろさ。自らも父親のDV被害者で捜査員として悲惨を沢山見た事で心に闇を抱えたジョーは魅力的。続編が書かれる事を期待。それにしても少女性愛者ってそんなに居るのか、げんなりするなぁ。2018/06/18
チェアー
15
暴力のにおいがプンプンするのだが、なぜか静寂が記憶に残る。会話も記述も最小限しかなく、ぶつんとした男くさい文体が印象的だ。ラストは「これで?」。謎解きとハードボイルドはそこそこ、それより空気や温度を感じたい。短編の佳品。2019/03/07