出版社内容情報
冒険小説、スパイ小説に興味はあるけれど、どの作品から読めばいいんだろう?そんな疑問に、本書が答えます。識者による「架空の冒険・スパイ小説全集をつくる座談会」をもとに国内外の傑作百冊を徹底紹介。作家論、エッセイ、映画論も収録。入門者からマニアまで、すべての読者に贈る、新たな必携ガイドブック
内容説明
いま読んで面白い冒険小説、スパイ小説は何か。その面白さはどこにあるのか。それを紹介するため、あらたに編集されたのが本書である。北上次郎氏らによる座談会「架空の冒険・スパイ小説全集をつくる」を完全載録、さらに全集収録作と推薦作の合計100作を徹底紹介する。21名を取り上げた作家論、エッセイ、映画論も併録した。冒険・スパイ小説ファン、これから読んでみたいと思っている方々に贈る必携ガイドブック登場。
目次
座談会「架空の冒険・スパイ小説全集全二十巻をつくる」
全集収録作品、推薦作解説(死にざまをみろ;黄金を求めて ほか)
エッセイ「私をつくった冒険・スパイ小説」(すべての小説は冒険小説である―逢坂剛;ヒギンズ、フォレット、そして。―佐々木譲 ほか)
作家論「冒険・スパイ小説を拓いてきた作家たち」(大沢在昌「常に進化し、新しい物語を生む」―関口苑生;マーク・グリーニー「なぜグリーニーは素晴らしいのか」―北上次郎 ほか)
冒険・スパイ小説×映画論(銀幕の冒険者たち;映像化された冒険 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
184
本書は日本の作家がかなり網羅されていること、新しめの作品も収められているのが良い。よい類書は古いものが多く、せっかくの紹介作品が入手できないなどの問題がある。(本書でも無いでは無いのだが)名作に関しては堅実な選び方に見える。名作の紹介だけでなく、作家別に作品リストも載せてくれている。新しい『暗殺者グレイマン』もリストされているし、『機龍警察』や『亡国のイージス』も入っている。ただし、あちこち探しても見つけられなかった本も紹介されている。2021/07/12
Tetchy
115
これぞガイドブックと褒め称えたい。納得のヴォリュームと内容充実度だ。そして何より編集に携わった人々が冒険・スパイ小説に対する愛に満ちている。まず架空の冒険・スパイ小説全集全20巻をつくる企画として作品を選出しているところが一線を画している。そんな目利きの選者たちの選んだ逸品たちは定番中の定番もあれば、他のガイドブックでは見られない作品もふんだんに盛り込まれていてまさに百花繚乱。これからのガイドブックは本書をお手本にして編んでほしいものだ。出版界の未来はまだまだ明るいと思わせてくれる良著であった。 2017/09/12
海猫
104
「架空の冒険・スパイ小説全集」をチェックしたら37冊既読。作品解説は、各執筆者に愛や思い入れがあってよろしい。国産作家を取り上げてるのも旧ハンドブックとの違いですな。ただし!現在、気概を持って冒険小説を書いている樋口明雄の名が出てこないのはどういうことだ。収録の作家陣のエッセイは良かったが、作家論は読んだことがあるものが多く少し残念。月村了衛の「鷲は舞い降りた」推しが熱い!思わず読み返したくなったぜ。なのに別項で志水辰夫が、臭くて読めなかったと書いてるのに笑ってしまった。これを機会にいろいろ読んでみよう。2016/01/11
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83
🌟🌟🌟🌟☆。映画の予告が、それだけでひとつの作品と解釈出来るほど素晴らしいモノにぶち当たる事がある。コレはひとつの芸だと。批評する方が絶賛する内容を聞いていると、自分が別に作品に関わった訳でもないのに熱く語る魂が何か別の物を生み出しているように感じる事がある。そんな瞬間、瞬間に立ち会うと自分も幸せな気持ちになれるのだ。やがて冷静になった時に気づく。その作品が凄くて素晴らしいのは勿論の事だけど、それについて熱いハートで推してくるお前らが暑苦しくて俺は大好きなんだ。2019/04/18
ずっきん
42
読友さんの紹介。推薦100のうち、1/4くらいしか読んでいないという事実を前に歓びに震える。覚えていないものや再読したくなる気持ちを押さえ、まずは「鳴門太平記」と「女王陛下のユリシーズ号」読みたし。アステリアマクリーンは「ナヴァロンの要塞」で、ものすごく体力使ったから敬遠してた。若かった当時と違い、今ならきっと楽しめる♪そして、このハンドブックを読んでみてカテゴライズがよくわかったような気がする。私は、ミステリーやハードボイルドよりきっとスリラー好きなんだなー。愚か者達のロマンにまみれたい。2018/02/18