出版社内容情報
セーヌ河畔で古書店を営む男が目の前で拉致され、米国大使館の警備主任ヒューゴーは調査を始める。だが、前途には何重もの謎が!
内容説明
露天の古書店が並ぶパリのセーヌ河岸。そこでアメリカ大使館の外交保安部長ヒューゴーは、年配の店主マックスから古書を二冊買った。だが悪漢がマックスを船で連れ去ってしまう。ヒューゴーは警察に通報するが、担当の刑事は消極的だった。やむなく彼は調査を始め、マックスがナチ・ハンターだったことを知る。さらに別の古書店主たちにも次々と異変が起き、やがて驚愕の事実が!有名な作品の古書を絡めて描く極上の小説。
著者等紹介
プライヤー,マーク[プライヤー,マーク] [Pryor,Mark]
イギリスで生まれ育ち、新聞記者として犯罪や国際問題の報道に携わった。1994年、アメリカに移住し、ノースカロライナ大学でジャーナリズムを学んだあとデューク大学のロースクールに進み、優秀な成績で卒業。現在はテキサス州オースティンに住み、地方検事補として活躍するかたわら執筆活動を続けている。『古書店主』はデビュー作で、2012年に発表された
澁谷正子[シブヤマサコ]
1957年生。早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
98
主人公の目の前でブキニストが拉致されるところから一連の事件が始まる。アメリカ大使館の外交保安部長であるヒューゴーが巻き込まれたのは、稀覯本のせい?今なお残るナチズムへの怨嗟のせい?それとも…。セーヌ川畔のブキニストやパリの通りの情景が目に浮かぶ。主人公はテキサス出身でカウボーイブーツが正装、元FBIのプロファイラーという魅力的なキャラクターなのに、キレ味が今ひとつなのが残念。シャーロック・ホームズへのオマージュが垣間見えるあたりはニヤリとさせられた。デビュー作らしく謝辞が長い。2017/01/21
藤月はな(灯れ松明の火)
53
親しい古書店主が攫われてしまった。彼からランボーなどの初版本を渡されたヒューゴーは彼を助け出そうとして彼のことを炙り出していくが・・・。ジョン・ダニング古書店主ミステリーシリーズとマイケル・バー=ゾウハ-のスパイ小説の作風を合わせたような作品。謎に近づくにつれて次々と情報提供をしてくれた証言者が消されていくのは正直、辛かった・・・。あの人が抱えてきて誇りの狭間で苦しんできたことは遣る瀬無いけどあんな結末になるのは勝手すぎます。それでも最後の決断には希望は見えるのかな?2014/05/26
Eee
40
仮説が謎を呼び、謎がさらなる謎を呼ぶ。しかし、ひとつ紐解かれると、次第にほろほろと関連性が浮かび上がってくる。読み始めは、バラバラなのでスピードに乗ることができなかったが、中盤から終盤にかけてものすごい勢いで読み終えました。紐解かれるところは興味深く面白かったです。2016/08/29
KAZOO
34
題名からして、ジョン・ダニングのような作品を期待していたのですが、まるっきり異なっていました。また本もたくさん出てきて、キーになるものもあるのかと期待していたのですが。あまり盛り上がり感がない感じで終わってしまいました。ただ処女作で結構評判をとったようですので、もう2作くらい出ているようなので読んでみたいとは思いますが。2014/10/18
ほちょこ
25
まさにパリのアメリカ人。アウェイの地でどれだけ波風立てずに犯罪を暴けるのか、その手腕はなかなか華麗なものだった。まぁ出来過ぎ感は多少あるものの、十分楽しめた。次作も期待。2017/02/20